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  1. 愛知県議会 2022-02-01
    令和4年2月定例会(第5号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和4年2月定例会(第5号) 本文 2022-03-03 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 59 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 2 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 3 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 4 :  ◯知事大村秀章君) 選択 5 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 6 :  ◯四十一番(南部文宏君) 選択 7 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 8 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 9 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 10 :  ◯五十五番(西久保ながし君) 選択 11 :  ◯環境局長岡田守人君) 選択 12 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 13 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 14 :  ◯県民文化局長水野直樹君) 選択 15 :  ◯観光コンベンション局長武田光弘君) 選択 16 :  ◯知事大村秀章君) 選択 17 :  ◯五十五番(西久保ながし君) 選択 18 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 19 :  ◯二十五番(田中泰彦君) 選択 20 :  ◯県民文化局長水野直樹君) 選択 21 :  ◯総務局長林全宏君) 選択 22 :  ◯二十五番(田中泰彦君) 選択 23 :  ◯四十番(丹羽洋章君) 選択 24 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 25 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 26 :  ◯副議長(近藤裕人君) 選択 27 :  ◯二十四番(佐藤英俊君) 選択 28 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 29 :  ◯県民文化局長水野直樹君) 選択 30 :  ◯福祉局長(岡本範重君) 選択 31 :  ◯副議長(近藤裕人君) 選択 32 :  ◯五十八番(久野哲生君) 選択 33 :  ◯建築局長(成田清康君) 選択 34 :  ◯観光コンベンション局長武田光弘君) 選択 35 :  ◯知事大村秀章君) 選択 36 :  ◯副議長(近藤裕人君) 選択 37 :  ◯五十二番(市川英男君) 選択 38 :  ◯福祉局長(岡本範重君) 選択 39 :  ◯警察本部長(國枝治男君) 選択 40 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 41 :  ◯知事大村秀章君) 選択 42 :  ◯四十一番(南部文宏君) 選択 43 :  ◯副議長(近藤裕人君) 選択 44 :  ◯副議長(近藤裕人君) 選択 45 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 46 :  ◯二十三番(神谷和利君) 選択 47 :  ◯スポーツ局長(芦沢典幸君) 選択 48 :  ◯労働局長(橋本礼子君) 選択 49 :  ◯知事大村秀章君) 選択 50 :  ◯二十三番(神谷和利君) 選択 51 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 52 :  ◯十三番(林文夫君) 選択 53 :  ◯福祉局長(岡本範重君) 選択 54 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 55 :  ◯防災安全局長(中川喜仁君) 選択 56 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 57 :  ◯四十番(丹羽洋章君) 選択 58 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 59 :  ◯議長坂田憲治君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時十分開議 ◯議長坂田憲治君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 諸般の報告 2: ◯議長坂田憲治君) この際、諸般の報告をいたします。  本日、知事から追加提出されました議案は、各位のお手元に送付いたしました。  以上、御報告いたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第二 第八十三号議案副知事の選任についてから第       八十五号議案教育委員会教育長の選任について       まで(提案理由の説明) 3: ◯議長坂田憲治君) 次に、第八十三号議案副知事の選任についてから第八十五号議案教育委員会教育長の選任についてまでを一括議題といたします。  直ちに知事の提案理由の説明を求めます。  大村知事。     〔知事大村秀章君登壇〕 4: ◯知事大村秀章君) 皆様、おはようございます。  議員の皆様方には、二月十七日の開会以来、当初予算案をはじめ、各議案につきまして熱心に御審議を賜り、深く感謝を申し上げます。  本日は、加藤慎也副知事が本年三月三十一日をもって任期満了となることに伴い、後任者として、トヨタ自動車株式会社、総務・人事本部付主査の古本伸一郎氏を、欠員中の副知事に総務局長の林全宏を、また、長谷川洋教育委員会教育長が本年三月三十一日をもって任期満了となることに伴い、後任者として、企業庁長の飯田靖をそれぞれ選任いたしたく、その同意議案につきまして追加提案をいたした次第でございます。  よろしく御審議の上、適切な御議決を賜りますようお願いを申し上げます。
           ─────────────     〔議案は別冊付録に掲載〕      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第三 決議案(ロシアのウクライナ侵攻について) 5: ◯議長坂田憲治君) 次に、ロシアのウクライナ侵攻についての決議案が成規の手続を経て提出されております。  これを直ちに議題として、提案者から提案理由の説明を求めます。 6: ◯四十一番(南部文宏君) ただいま議題となりました決議案について、私から提案理由の説明をいたします。  文案は、お手元に配付してあるとおりであります。  二月二十四日、ロシアはウクライナへの軍事侵攻を行いました。  このことは、ウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、国連憲章の重大な違反であることから、断じて容認することはできません。  よって、本県議会は、ロシア軍による侵略を非難するとともに、ロシアに対し、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう強く求めるものであります。  また、国に対しては、ウクライナに在住する邦人の安全確保に全力を尽くすとともに、我が国への影響対策について万全を期することを求めるものであります。  切に満場の御賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明といたします。        ─────────────        ───────────── 7: ◯議長坂田憲治君) ただいま提案者から説明がありました本決議案は可決することに決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 8: ◯議長坂田憲治君) 御異議なしと認めます。よって、本決議案は可決されました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第四 一般質問 9: ◯議長坂田憲治君) これより一般質問を行います。  通告により質問を許可いたします。  西久保ながし議員。     〔五十五番西久保ながし君登壇〕(拍手) 10: ◯五十五番(西久保ながし君) おはようございます。  それでは、通告に従いまして、三項目について質問をしてまいります。  初めに、再生可能エネルギーの拡大に向けた取組について伺います。  一昨年の十月、菅元総理が二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を宣言されて以降、様々な分野で取組が加速をしています。それだけに私たちは、まずはカーボンニュートラルを正しく理解する必要があります。  カーボンニュートラルの実現には、EV車を増やせばいいという風潮もありますが、正しくは、製造から消費、廃却まで、ライフサイクル全体の中で、しかも全ての産業で取り組まなければならないことや、全ての人がライフスタイルを大転換しなければならないということであります。  そして、その根幹を成すエネルギーの七割以上を化石燃料に頼っていてはカーボンニュートラルの実現は到底達成できず、エネルギー政策を大転換する必要があります。エネルギー政策については、国の力強いリーダーシップを期待いたします。  昨年改訂された国のエネルギー基本計画では、再エネを主力電源として最大限の導入に取り組むと明記をされ、二〇三〇年度の総発電電力量を合計三千三百六十から三千五百三十億キロワットアワーとし、再エネ比率を三六から三八%程度を目指すとしています。民間団体の調査によると、二〇二〇年度の再エネの割合が二一・二%ですから、挑戦的な数値だと思います。  ちなみに、太陽光の割合は八・九%、水力は七・八%、バイオマスは三・四%、風力はようやく〇・九%、原子力は三・七%まで減少をしています。  一方で、天然ガス(LNG)や石炭等、化石燃料の占める割合は大きく、全体の七五・一%に達しています。  本県としても、再エネの拡大に向け、実態の把握や課題を整理し、実現可能性について調査、検討を専門調査機関に委託したところであり、今後、詳細が明らかになってくると思います。  現在の本県の再エネの稼働状況を見ると、太陽光は常滑や豊橋等でメガソーラーが整備をされ、風力は田原臨海風力発電所や新舞子マリンパーク風力発電所等が稼働をしています。また、バイオマスは国内最大級の木質系半田バイオマス発電所が稼働していますし、二〇二五年九月には、田原市において、さらに最大規模となる木質バイオマス専焼発電所が稼働する予定ですし、農業水利施設を活用した小水力等発電施設は十五地区で稼働をしています。  このように、本県では再エネ施設整備がかなり進んでいると認識をしています。しかしながら、実際のところ、どのような現状にあるのか、データ的に理解をしているわけではありません。  そこで、まず、本県の再エネ全体の導入量とその内訳、比率、それぞれの全国順位がどのようになっているのか伺います。  次に、昨年六月に開催された国・地方脱炭素実現会議において、公共部門の率先実行や、民間企業や住宅での自家消費等、再エネのさらなる導入に向けた取組方針が示されました。  その内容は、公共部門における太陽光の率先導入を進め、二〇三〇年度までに、国、地方公共団体が保有する設置可能な建築物、屋根等の約五〇%に太陽光を導入することを目指すことや、民間企業、住宅における自家消費型太陽光発電の導入を促進するというものであります。  東京都は、二〇二二年度、都内の新築一戸建て住宅の屋根に太陽光発電設備の設置を義務づける条例制定を目指しています。国も義務化を検討しましたが、住宅価格上昇を懸念する声が強く、見送られております。  こうした厳しい環境下にありますが、ぜひ再エネの分野でも国内をリードいただきたいと思います。  そこで、本県として、現在、再エネの拡大に向け、どのような取組をしているのか、また、国の動きを踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、昨年末に地元の中小企業十七社を回り、カーボンニュートラルの取組について伺ったところ、最先端の取組をしているところから、具体的な取組はこれからだというところまで、様々でした。  その中で、既にSBT認定を取得している企業もありました。SBTイニシアチブとは、企業に対し、科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標を立てることを求めるもので、国連グローバル・コンパクト等四団体が二〇一五年に共同で設立したものであります。昨年十二月二十三日現在、認定取得済みの企業は世界で千八十三社、うち日本企業百四十七社の一社ですから、すばらしいことだと思います。  一方で、太陽光を工場の屋上に設置しようと概算見積りを依頼したところ、強度的に難しいと言われ困惑している企業もありました。ほとんどの企業がカーボンニュートラルへの取組を積極的に行っており、県としてもしっかり支援をしていかなければいけないと感じたところであります。  そこで、本県では、本年度終了する知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期の研究テーマの一つとして、エネルギー最適配分のための水素蓄電の技術開発があります。その中に中小工場を再エネ化する取組もあったと思いますが、これまでの研究成果と、今後どのように技術普及をしていくのか伺います。  最後になりますが、再エネ拡大には課題が山積しており、その課題克服も含め推進していかなければなりません。特に、再エネの柱となる太陽光は、開発のために山林が切り開かれ、その結果、二〇一八年七月の西日本豪雨のように、山の斜面にあった太陽光発電設備が崩れ落ち、自然災害となったケースもあり、注意が必要であります。  二〇一六年に発効したパリ協定においては、温室効果ガス排出量と森林などによる吸収量のバランスを取ることなどが合意されており、行き過ぎた森林開発は本末転倒であります。  全国では、自然災害を招いているなどを理由に再エネ設置に抑制的な条例を制定する自治体が二〇二〇年度で百三十四と急増しておりますので、地域との共生が大変重要になってまいります。  また、太陽光や風力などの再エネは、発電量が季節や天候に左右されるため、電力を安定供給するためのコントロールがしにくいという課題もあります。さらに、コスト面では、再エネ賦課金が上昇する懸念もあります。  そうした課題を克服しながら再エネへ移行するまでにはかなりの年数がかかりますので、それまでの技術として、水素の活用やCO2の回収、貯留など、様々な技術開発に取り組む必要があります。  そこで、再エネの拡大を図るとともに、CO2削減に向けた技術開発も行うべきと考えますが、二〇二二年度から始まるIV期プロジェクトではどのように取組を進めていくのか伺います。  次に、自動車整備士の育成について伺います。  自動車産業は、車を作って売る、そして、点検、整備で安全・安心を保障するまでが一連の仕事であります。  これまで本県としても、自動車産業に対し、様々な取組、支援を行ってきましたが、自動車整備の分野への取組はほとんどありませんでした。それは、自動車整備現場で働く自動車整備士が国家資格であり、国土交通省が所管し、愛知運輸支局等でその役割を担っているからだと認識をしています。  その自動車整備士は、日本自動車整備振興会の調査によると、約五〇%の事業所で自動車整備士が不足しているという結果が出ています。  その要因は、人口減少かつ高齢化が進んでいることに加え、志願する若者が減ってきているなど、人手不足は年々深刻化をしています。その問題意識は国交省も認識しており、様々な取組を行っています。  自動車整備の仕事は、車を作って売る以上に、長い間、私たちの安全・安心を保障するための点検、整備を行う極めて重要な仕事であります。  国が中心となって行っている事業ですが、自動車王国愛知としても積極的に連携していく必要があると考え、懇談した整備士の皆さんの御意見も踏まえ、自動車整備士の諸問題について質問をしたいと思います。  まずは、日本自動車整備振興会の資料によると、整備士の数は、二〇一四年度が三十四万二千四百八十六人、二〇一九年度が三十三万六千八百九十七人と、六年間で五千五百八十九人も減少をしています。本県の整備士数は約二万人です。そして、二〇二〇年度の自動車整備要員の有効求人倍率は四・五倍で、全職種の一・〇一倍を大きく上回る大変厳しい状況となっております。  このように自動車整備士が全国的に足りていない背景には、先ほども申し上げたとおり、人口減少、高齢化のほか、若者の車離れが原因として指摘をされています。ただし、昨年、若者に行ったアンケート調査結果では、全国の若者の約六〇%は車が必要と回答しており、車離れというより、所有するのは必要性に迫られたときであり、実用性を重視する傾向にあるようであります。確かに、私たちが育った時代のように、どうしても車が欲しいといった感覚は薄れてきているように思います。  懇談した整備士の皆さんは、子供の頃から車が好きだったことがきっかけで整備士になったと言われていました。やはり子供の頃から魅力を伝えていくことが若者の車離れには一番の特効薬だと思います。  こうした状況を考えると、自動車王国愛知の小中学校においては、キャリア教育等、様々な場面を通じて、車に関心が持てるような教育により、車好きの子供や若者を増やしていただくことを切に願います。  そして、本日は、自動車整備を重点に学んでいる工科高校の取組について伺います。  自動車整備士には、一級、二級、三級と特殊整備士の計四種類があり、整備士になるには大きく二つのパターンがあります。専門学校に入学して講習を受けながら二級の資格を取得するパターンと、整備工場などで実務経験を積んで三級または二級の資格を取得するパターンであります。  本県の工科高校には自動車科があり、三級資格の取得を目指し、自動車整備のことをかなり重点的に学んでいるとお聞きしました。  近年の自動車整備は、従来のようにエンジンやブレーキなどを取り外す分解整備だけでなく、二〇二〇年四月からは、従来の分解整備に電子制御装置整備等、新しい技術を対象とした整備を加えた特定整備がスタートするとともに、二〇二四年十月からはOBD車検がスタートいたします。  OBD車検とは、簡単に言うと、電子制御システムに誤作動がないか診断機によりチェックし、事故やトラブルを未然に防ぐためのものであります。  このように、自動車整備士の業務は、自動運転や電動化などの技術革新に伴う対応など、日々進化をしております。  そこで、工科高校の自動車科ではどのような授業を行っているのか、課題も含めて伺います。また、生徒たちの進路状況はどのようになっているのか、さらに、自動車整備士になる人が少ないと聞きますが、理由をどのように捉えているのか伺います。  冒頭申し上げたように、国交省では、自動車関係団体と共に、都道府県ごとに自動車整備人材確保・育成地方連絡会を立ち上げ、自動車整備士の育成に向け、独自に学校と交渉し、イベントの開催や中高生の職場体験、インターンシップの推進など、生徒が関心を持てるような基本的な取組を行っています。  私は、自動車について専門的に学ぶ工科高校の自動車科では、自動車に関する体験的な学習を積極的に進めていく必要があると思っています。  自動車整備士は、車社会の中で人の命を守るなど、社会的な貢献度も高いと実感できる仕事ですし、車のお医者さんとしてお客様から感謝されることも多く、やりがいを実感できる仕事でもあります。賃金など労働条件の向上はもちろん重要ですが、自動車整備という仕事のやりがいや魅力を伝えていくことで志す人も増えてくるのではないかと思います。  そこで、工科高校の自動車科では、これまで自動車整備に関係する団体や外部の専門家とどのように連携し取組を進めてきたのか、また、今後どのように連携し取り組んでいくのか伺います。  最後に、女性整備士について伺います。  自動車整備士というと男性の仕事というイメージが強くあると思いますが、実は全国で一万人以上、全体の約三%の女性整備士が活躍しているように、ここ数年、整備女子が増えています。  整備女子は、細やかな気配りや仕事の丁寧さなど、女性ならではのメリットも数多くありますので、積極的に採用しているディーラーも多くなっています。また、近年は自動車整備現場もIT化や機械化などが進んできているため、昔のようにきつい、汚い、危険といった3K職場と言われる要因は少しずつ改善をされております。  多くの女性が活躍する職種になっていくことを期待しているところですが、そのためにはイメージの払拭とともに環境整備が非常に重要になると考えます。  そこで、自動車整備士をはじめ、従来、男性の仕事とのイメージが強い職種においても女性が活躍できるよう、県としてこれまでどのように取り組み、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  最後に、他の議員からもありました、大河ドラマを活用した観光振興について伺います。  愛知県は、天下取りの三英傑と言われる織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三人がこの地の出身だったことや、三英傑の家臣として活躍した多くの武将を輩出したことから、まさに武将のふるさとであり、武将ゆかりの城跡や古戦場もたくさん残っております。  皆さんも御承知のとおり、尾張徳川家の居城となった名古屋城や、桶狭間古戦場跡、また、小牧・長久手の戦いにおいて家康公の陣となった小牧山城や、その主戦場となった長久手古戦場跡、信長と家康が同盟を結んだ清洲城、信長、秀吉、家康が奪い合うほど魅了した国宝犬山城などなど、家康公ゆかりの地だけでも数多くあります。  私の地元の岡崎市には、家康公が生まれ、長く過ごした岡崎城があり、岡崎城の城跡は岡崎公園として親しまれ、春には桜が咲き誇るお花見スポットとしても有名です。岡崎城は日本の名城百選に選ばれたお城で、旧天守の心柱だった礎石が残っており、パワースポットとして知られております。  また、松平家、徳川将軍家の菩提寺であり、桶狭間の合戦で追っ手から逃れた家康をかくまった大樹寺には歴代将軍の等身大の位牌が安置されており、多宝塔は国の重要文化財となっています。  そのほかにも岡崎市には家康公ゆかりのあるスポットが数多くありますが、全国的な知名度は決して高くなく、各地へ出かけた際も岡崎市のことを知らない人が多く、残念な思いをしてまいりました。  そんな折、二〇二三年の大河ドラマ、どうする家康の放送が決まり、このビッグチャンス到来に地元も盛り上がりを見せています。  特に、期待が大きく膨らむのは、ドラマの豪華キャストと脚本です。  キャストは、家康役の松本潤さんをはじめ、若者に人気の高い豪華俳優陣が勢ぞろいし、また、脚本は、希代のストーリーテラー、古沢良太氏による斬新な展開が予想され、これまで時代劇とは無縁だった若者層、特に女性からも注目を集める作品になるものと期待しております。  このような地元の期待を受け、昨年七月九日には、地元岡崎市の県議会議員五名も同席し、岡崎市長から大村知事にどうする家康放送による地域振興についての要望書を提出させていただき、地元の熱意をお伝え申し上げたところであります。  この要望は、大河ドラマ放送を機に、県内の家康公ゆかりの市町村と連携した広域からの誘客と回遊促進により、さらなる武将観光の発展につなげ、武将観光のメッカ、愛知のブランドをより一層輝かせることが主な要旨であります。  既に岡崎市では、市独自の地域振興の取組として、キャッチコピーとロゴマークを制作し、昨年十二月二十六日の家康公の生誕日に披露されています。  キャッチコピーは、もっと岡崎、きっと家康に決まり、作品のコンセプトは、岡崎をもっと知れば、きっと家康公にたどり着くという夢のあるものであります。  また、ロゴマークは、岡崎で過ごした若き日のりりしい家康公をイメージできるすばらしいものとなっています。そして、今後は、どうする家康大河ドラマ館の設置など、多くの取組が行われると聞いております。  このような取組は、様々なアイデアと地元の熱意により実施されていくものと期待をしておりますが、全国放送される大河ドラマを活用した広域からの誘客や県内周遊を図るためには、県は、市町村と連携し、広域観光の旗振り役としてしっかりと役割を果たしていく必要があると考えます。  そこで、まずは、大河ドラマ、どうする家康を活用した観光振興において、市町村をはじめとする関係者とどのように連携し、本県を訪れる旅行者を県内各地への周遊観光にどのように導いていくのか、県の取組を伺います。  次に、放送終了後を見据えた取組について伺います。  大河ドラマ放送中は全国的に注目を集めますので盛り上がると思いますが、放送終了後も盛り上がりを維持し、さらに拡大させるため、いかにリピーターを定着させるか、また、新規誘客にどうつなげていくかが重要だと思います。  本県ではこれまでに、武将観光の取組として、徳川家康と服部半蔵忍者隊による県内外のイベントへの出演や名古屋城などでの観光客へのおもてなし、全国の武将隊や忍者隊等が一堂に集まるイベント、サムライ・ニンジャフェスティバル二〇二一の開催を実施し、武将のふるさと愛知をPRしています。  これに加え、今後はさらに市町村や観光協会、交通事業者等と連携を密にした取組が必要になってくると思います。
     今回、家康公ゆかりの地を調べていて、三英傑以外にも家康公の家臣団である徳川四天王や、正室、側室等、ゆかりの地が身近に数多くあることが分かりました。  このように、県内にはまだまだ眠っているお宝があり、新たな視点で地域のお宝を掘り起こし、磨きをかけようとする市町村や観光協会等、地元の取組を支援し、武将観光につなげていくことが大切だと思います。  また、岡崎市と愛知環状鉄道は、人気ゲーム、戦国無双5とコラボレーションし、家康公をデザインしたラッピング列車、岡崎無双!!家康公トレインを走らせ、家康役の声優が岡崎の名所をアナウンスするキャンペーンを一月二十二日から五月三十一日まで実施し、岡崎グルメの食べ歩きチケットなどがついた岡崎無双きっぷも販売をしています。このような交通事業者と連携した新たな取組は、ゲーム好きな若者や鉄道ファン等の新たな層の観光誘客につながるものと考えます。  さらに、地域の魅力発信、発掘の新たな視点として、女性ならではの感覚、感性に注目してはどうかと思います。  ここ数年、歴史好きの歴女や戦国武将ブームが起こり、武将ゆかりの地を巡る女子旅が人気になっています。武将ゆかりのパワースポットやインスタ映えする場所、魅力的なグルメなどを絡めた多くの女性が愛知を訪れたくなるような魅力的な企画を策定することも必要です。  このように、リピーターの獲得や新たな観光客の取り込みに向けた地域の提案、取組を大河ドラマ放送終了後も効果的に発信し、武将観光を盛り上げていくには、愛知県の手腕が試されるところだと思います。  そこで、最後に、大河ドラマ、どうする家康による武将観光の盛り上がりを一時的なものとせず、放送終了後も継続、拡大させていくための取組の方向について、県の考えを伺い、檀上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 11: ◯環境局長岡田守人君) 再生可能エネルギーの拡大のうち、まず、本県の再生可能エネルギーの導入状況についてお答えいたします。  資源エネルギー庁が公表している統計によりますと、本県における固定価格買取制度、いわゆるFIT制度の認定を受けた再エネ由来発電設備の導入容量の合計は、昨年九月末時点で約三百三十万キロワットで全国第二位となっております。  このうち、最も多いのは事業用の太陽光発電の約百八十万キロワットで全体の約五六%、次に住宅用太陽光発電が約百万キロワットで約三〇%、以下多い順に、バイオマス発電が約四十万キロワットで約一二%、風力発電が約六万五千キロワットで約二%、小水力発電が約四千キロワットで一%未満となっております。  発電種類ごとの全国順位は、住宅用太陽光発電及びバイオマス発電が第一位で、事業用太陽光発電が第十一位、風力発電が第二十位、小水力発電が第二十八位となっております。  次に、本県の再生可能エネルギーの拡大に向けた取組についてお答えいたします。  本県では、家庭における温室効果ガスの排出を抑制するため、二〇〇三年度から、市町村と協調し、太陽光発電設備の導入補助制度を設け、住宅における再生可能エネルギーの導入拡大を進めてまいりました。  二〇一五年度からは、発電した電力をより効率的に活用するため、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)や燃料電池、蓄電池等を、二〇一八年度からは、環境に配慮した住宅の普及を図るため、太陽光発電、HEMS等の一体的導入を補助するメニューに加えるなど、順次補助メニューの拡充を図ってまいりました。その結果、制度開始以来、昨年度までの十八年間で、太陽光発電設備及び省エネ・蓄エネ設備等の合計で約十万九千件、県として約十六億円の補助を行ってまいりました。  当面、太陽光エネルギーは、再生可能エネルギーの主役と期待されるため、来年度から協調補助の実施市町村が三市町増え四十九市町村となることや、太陽光エネルギーを効率的に熱として利用する太陽熱利用システムも新たに補助メニューに加えたこと、さらには予算額も前年度から二千万円増額することなどにより、再生可能エネルギーの導入を促進してまいります。  今後は、来年度改定予定のあいち地球温暖化防止戦略二〇三〇において、国の動きを踏まえ、意欲的な再生可能エネルギーの導入目標を掲げるとともに、これまでの住宅用太陽光発電設備に対する補助に加えて、国の地域脱炭素化に向けた支援策の活用も視野に入れて、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取組を積極的に進めてまいります。 12: ◯経済産業局長矢野剛史君) 知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期での中小工場の再エネ化に関する研究テーマについてお答えをします。  知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期では、三つのプロジェクトに取り組み、そのうち、先進的AI・IoT・ビッグデータ活用技術開発プロジェクトにおいては、再生可能エネルギーに関する研究開発も実施をしてまいりました。  具体的には、東京大学や県内企業三社が参画する研究チームが中小工場向けの水素蓄電システムを開発し、知の拠点あいちの実証研究エリアに設置をいたしました。  このシステムは、太陽光発電装置や同電力を使って生成される水素を用いた蓄電装置等により構成され、気象状況や電力需要の予測に基づき、AIにより電力供給を最適制御するものであり、中小工場における電力需要を一〇〇%再生可能エネルギーで賄い、究極的にはCO2排出ゼロを目指すものであります。  今後の取組としましては、知の拠点あいちにおきまして、同システムの公開実験を実施しまして、広く地域企業に向けた普及促進を図ってまいります。また、次年度以降もプロジェクト参画企業が社会実装に向けた継続的な技術開発を推進していく予定であり、中小企業のCO2排出に係る経営リスクの回避に貢献することを期待しております。  次に、重点研究プロジェクトIV期の取組についてお答えをいたします。  IV期プロジェクトについては、あいち科学技術・知的財産アクションプラン二〇二五の研究開発の方向性に基づき、モノづくり技術の高度化、デジタルトランスフォーメーション、SDGsに対応した三つのプロジェクトを設定し、先月二月二十五日に公募を開始し、来月四月二十八日まで研究テーマの提案受付を行っているところであります。  再生可能エネルギーの拡大やCO2削減につきましては、先ほど申し上げました三つのプロジェクトの一つであるSDGsにおける研究開発分野の一つとしてカーボンニュートラルを取り上げ、関連する研究テーマを実施していきたいと考えております。  具体的には、自然エネルギーのみならず、水素エネルギー、スマートグリッドなどの研究テーマを想定しており、これらの研究開発を進めている大学等からの積極的なテーマ提案を期待しております。  特に、IV期プロジェクトでは、I期からIII期の研究成果を核にした発展的研究として、革新的ビジネスモデルや最先端技術を持つ活力あるスタートアップの参画を促進する枠組みを導入し、スピード感のある研究進捗や製品化の加速を図ってまいります。  これらの研究開発を推進することで、カーボンニュートラルの実現に向け、本県主要産業が抱える課題の解決に貢献をしてまいりたいと考えております。 13: ◯教育長長谷川洋君) 工科高校の自動車科についてお尋ねをいただきました。  本県の県立高校では、工業に関する学科を置いている十六校のうち、小牧工科、豊田工科、刈谷工科の三校に自動車科があり、本県の基幹産業である自動車産業で活躍できる技術者の育成を目指しております。  自動車科の授業は、三級整備士の資格を取るために必要な知識と技術をはじめ、製造業の現場で求められる電気工事や金属加工、コンピューター制御などの基礎が幅広く学べるカリキュラムとなっており、三年間の授業のうち、自動車整備に関する学習内容の占める割合は約三割となっております。今後は、電気自動車や自動運転等の最新の技術に対応するため、外部人材のさらなる活用や教員の指導力向上が課題であります。  卒業後の進路につきましては、この春に三校の自動車科を卒業する百八十六人のうち九割の百六十八人が就職であり、その八割に当たる百三十四人は自動車関連企業であります。そのうち、整備士として就職する生徒は十二人であります。  上級資格の二級整備士を取るために専門学校等へ進学する生徒も六人おりますので、自動車整備士になる生徒は就職者と進学者で三校合わせて十八人、自動車科卒業生の約一割にとどまっております。  こうした傾向はここ数年変わっておりませんが、製造業が集積している本県におきましては、自動車関係だけでも多くの企業や職種がございますので、生徒がそれぞれの希望や特性に応じて進路を選択した結果であると考えております。  次に、工科高校自動車科における外部との連携についてお答えいたします。  まず、これまでの連携の状況でありますが、議員お示しの愛知自動車整備人材確保・育成連絡会のメンバーである自動車関連団体を通じて、現役の整備士を講師として学校に派遣いただき、出前授業を行うことや、実物の自動車を提供していただきまして、教材として活用することなどを行っております。  また、豊田工科高校では、県教育委員会のあいちSTEMハイスクール研究指定事業の一環として、二十二世紀のモータリゼーションをつくり出す力を持った生徒の育成を目指し、複数の理工系大学や企業と連携して、高度な教育プログラムの開発に取り組んでおります。  続いて、今後の取組についてであります。  来年度から実施される新しい学習指導要領では、代替エネルギーの利用や、ハイブリッド車、電気自動車などを取り上げ、自動車のエネルギー技術についてもしっかりと学ぶことが求められております。  そのためには、教員の指導力向上はもとより、外部の専門家とのさらなる連携が不可欠であると考えております。  したがいまして、今後は、最新の知見や整備技術を有する方から直接指導を受ける機会を増やすなど、学習内容の充実を図ることで、新しい時代における自動車整備の魅力が生徒に伝わるよう努めてまいります。 14: ◯県民文化局長水野直樹君) 自動車整備士の育成のお尋ねのうち、従来、男性の仕事とのイメージが強い職種における女性活躍の取組についてお答えします。  本県では、就職前の早い段階で、生徒が固定的な性別役割分担意識にとらわれず、様々な職種に興味や関心を持つよう、中学校や高校等で出前講座を行っており、来年度も十五校で実施してまいります。  出前講座では、自動車整備関係を含め多様な職種で活躍する女性を紹介する教材を作成、使用しており、今後とも全ての高校に配布するとともに、ウェブページに掲載して、広く活用してまいります。  一方、女性が活躍するには、仕事と家庭の両立支援などの就職先の職場の環境整備が重要であり、自動車整備士をはじめ建築士やトラック運転手など、様々な分野において取組が進められてきております。  こうした中、本県では、女性活躍の取組を積極的に行う企業約千社をあいち女性輝きカンパニーとして認証しており、今後、二〇二五年度までに千二百社を目標に働きかけを進めてまいります。  女性の活躍は、本県の基幹産業である自動車産業はもとより、その一翼を担う自動車整備士等の分野においても大変重要であります。本県としましては、思い込みやイメージによる進路や職業選択意識の払拭に努めるとともに、カンパニーの認証制度等を通じて職場の環境整備を促し、男性の仕事のイメージが強い職種においても多くの女性が活躍できるよう取組を一層推進してまいります。 15: ◯観光コンベンション局長武田光弘君) 大河ドラマ、どうする家康を活用した観光振興のうち、初めに市町村などと連携した周遊観光促進の取組についてお答えいたします。  どうする家康を活用し、県内各地への周遊観光を促進していくためには、地域を挙げて武将観光に取り組み、誘客の効果を拡大していく必要があると考えております。  そのため、まずは先月、愛知県大河ドラマどうする家康観光推進協議会を設置し、地域の連携体制を整備いたしました。  この協議会は、県内の四十九の市町と愛知県観光協会をはじめ四十七の観光関係団体などで構成し、交通事業者やNHKもオブザーバーとして参加しており、協議会を中心に関係者が情報共有を図りながら効果的に取組を推進していくこととしております。  例えば、市町村や交通事業者などと連携し、武将ゆかりの史跡などを巡るスタンプラリーと企画乗車券の販売をセットで行うなど、旅行者を県内各地へ誘導し、地域の魅力をしっかりと感じていただけるような周遊観光の仕掛けを検討していきたいと考えております。  大河ドラマを活用し、関係者が連携して旅行者を呼び込み、周遊観光の促進を図っていくことで、誘客の効果を広く県内に波及させてまいります。  次に、大河ドラマ、どうする家康による武将観光の盛り上がりを継続、拡大させていくための取組についてお答えいたします。  本県では、どうする家康の放送を機に、武将観光のさらなる推進に向けて、大きく二つの方向で取組を実施していきたいと考えております。  一つは、観光コンテンツの充実であります。  市町村や観光関係団体などと連携し、県内各地の様々な武将ゆかりの地域資源を磨き上げ、ストーリー性を持った奥深い魅力のある旅行商品として造成を図るなど、武将観光の内容の充実に取り組んでまいります。  もう一つは、ブランド力の強化であります。  県内外から武将ファンが集まるサムライ・ニンジャフェスティバルの開催をはじめ、武将観光への関心を高め、その魅力を効果的に発信する取組を展開していくことで、武将のふるさと愛知の認知度の向上とブランド化の推進に取り組んでまいります。  どうする家康の放送後も、引き続き観光コンテンツの充実とブランド力の強化を図り、誘客を拡大していくことで、武将観光の盛り上がりを継続、拡大してまいりたいと考えております。 16: ◯知事大村秀章君) 西久保ながし県議の質問のうち、再生可能エネルギーの拡大に向けた取組について、私からもお答えをいたします。  本県では、一九九四年に全国に先駆けて地球温暖化対策を体系化したあいちエコプラン21を策定し、行政自らが率先して環境負荷の少ない活動を実践するとともに、自然エネルギーの活用などに努めてまいりました。  具体的に、犬山浄水場や愛知県国際展示場(アイチ・スカイ・エキスポ)など、これまでに四十六の県有施設に出力合計約五千キロワットの太陽光発電設備を導入したほか、羽布ダムの小水力発電や豊川浄化センターのバイオマス発電など、出力合計約千四百キロワットの発電設備を導入しております。  こうした取組と同時に、再生可能エネルギーの固定価格買取制度、いわゆるFIT制度による民間活力を最大限に生かした発電事業を促進するため、県有施設の屋根や県有地を民間事業者にメガソーラー等の用途で貸し出し、現在、田原や岡崎額田地区はじめ二十三か所で出力合計約九万キロワットの太陽光発電設備が導入をされております。  さらに、昨年六月からカーボンニュートラルの実現に資する革新的で独創的な事業・企画アイデアの募集を開始しておりまして、その第一弾として再生可能エネルギーの導入等によりカーボンニュートラルの実現を目指す矢作川カーボンニュートラルプロジェクトを立ち上げ、研究会の設立に向けまして、取組の全体像を取りまとめているところであります。  このプロジェクトに続く事業をここ愛知から数多く立ち上げ、カーボンニュートラルの実現に向けたあらゆる選択肢を追求し、再生可能エネルギーの導入拡大を大胆に加速してまいります。 17: ◯五十五番(西久保ながし君) 自動車整備士に関して、一点だけ要望したいと思います。  先ほど、教育長のほうから答弁でありましたように、約二百名の生徒が整備士三級の資格を取るために、授業全体の枠からしたら約三割ということで、非常に多くの時間を費やして頑張っているということ、このことについては即戦力となる人材を育てるという意味からも非常にいいことだと思うんですが、一方で、それだけ多くの時間を費やして頑張っておきながら、整備士の道を志す人が、生徒が一割に満たないというのが非常に残念でなりません。様々課題はあると思いますが、まだまだやることもあると思います。  これも答弁いただきましたように、整備士の皆さんに協力をいただいて、直接生徒たちに魅力を伝える機会を増やすということも一つでしょうし、様々知恵を絞っていただいて、アイデアを出していただいて、今大変厳しい状況にあるわけですので、一人でも二人でも整備士を目指す生徒になるような、そんな教育、育成をしていただきますようにお願いをして終わります。ありがとうございました。 18: ◯議長坂田憲治君) 進行いたします。  田中泰彦議員。     〔二十五番田中泰彦君登壇〕(拍手) 19: ◯二十五番(田中泰彦君) 質問に入る前に、私からもロシアによるウクライナ侵攻について一言述べさせてください。  私にはウクライナ出身の友人がおり、彼はウクライナに今現在はいます。どこの都市にいるのかまでは把握はできていないんですけれども、幸いSNSを通じて安否は確認をできております。先ほどの決議された私たちの思いが届き、一日も早い平和的な解決を望みます。  それでは、通告に従いまして、大きく二点、愛知県のLGBTQ対策の今後、愛知県ウェブサイトの管理、運営について、順次質問をさせていただきます。  初めに、愛知県のLGBTQの今後の対策についてお伺いいたします。  今議会では、愛知県人権尊重の社会づくり条例案が提出をされております。こちらには、性的指向及び性自認の多様性についての理解の増進等という文言が含まれております。  また、先日の我が党の須崎かん団長の代表質問で、条例案の質問に対し、知事からは、あらゆる人権に関する課題の解消に向けて様々な施策を積極的に実施することで、相互に人格と個性を尊重し合いながら、支え合い、多様性を認め合う誰一人取り残されることのない人権尊重の社会づくりをしっかりと進めてまいりますとの答弁がありました。LGBTQを含めた人権問題でお悩みをお持ちの多くの方の課題解決につながるよう期待をしたいです。  本日は、人権課題を踏まえ、LGBTQ、性的少数者に対する質問をさせていただこうと思います。  私は、平成二十九年にもLGBTに関する質問をしております。その際にはLGBTとして、本日はLGBTQと表現をしております。また、ほかの議員におかれても関連する質問はこれまでもあり、それぞれの議員においてLGBTQの説明には触れられております。その後、言葉の意味の増加、使い方の変化が著しく見られる点があります。改めて説明をさせていただきます。  LGBTQとは、L、女性同性愛者であるレズビアンのL、G、男性同性愛者であるゲイのG、B、両性愛者であるバイセクシュアルのB、T、性自認、自分が認識をしている性別が戸籍上の性別とは異なるトランスジェンダーのT、Q、クエスチョニングやクィアを表すQ、こちらは後ほど説明をさせていただきます。  それぞれの頭文字を取ったL、G、B、T、Qであり、性的マイノリティー、性的少数者を表す総称の一つとして使われる言葉です。  まず、表現の変化です。  Tであるトランスジェンダー、心と体の性が一致していない人を指し、例えば、生まれたときの性は男性ですが、自分のことを女性と認識している方はトランスジェンダー女性、その反対をトランスジェンダー男性と言います。  トランスジェンダーを医学用語では性同一性障害と言い、愛知県議会でもその言葉が使われております。しかし、現在の国際的な動向を反映した場合、トランスジェンダーは性同一性障害ではなく、性別違和──違和感の違和──とか性別不合──一致しない、合わないなどの不合──などの言葉のほうが望ましいと変化をしています。  続いて、言葉の意味の追加です。  Qを表すクエスチョニングとクィアについてです。クエスチョニングは特定の枠に属さない、分からないなどの人を指す言葉で、クエスチョンからきています。クィアですが、こちらはアルファベットでQUEERと記し、もともと不思議なとか風変わりな、奇妙ななどを表す言葉で、同性愛者を侮蔑した言葉でしたが、現在では規範的な性の在り方以外を包括する言葉として、そのようにも使われております。クィアは愛知県議会議場では初めての単語であると思います。  このように、LGBTQの概念でも表現が著しく変化する、新たな意味合いが生まれるなど、まだまだ日本社会においてはそれらの変化などが浸透していないのかもしれません。  そんな中、昨年の東京オリンピックでは、LGBTQなど性的マイノリティーであることを公表して出場した選手が百八十人以上と過去最多となり、トランスジェンダーである選手が初めて自認する性別で出場をするということもありました。  二〇二六年アジア競技大会でも多くのLGBTQ、性的マイノリティーを公表した選手が参加されることが想定されます。こういった観点での対応も愛知県には求められている内容ではないかと感じております。  我々自民党愛知県議員団では、石塚吾歩路議員を会長とし、人権課題勉強会を昨年の夏に発足、約半年間で十回にもわたる勉強会を開催してまいりました。  この勉強会では、それぞれの議員が抱えている課題の共有、各専門分野で活動され、多くの知見をお持ちの方々を講師として招いての勉強会など、幅広い課題を認識し、それぞれの課題をより深く理解することを目的としてスタート。  私は以前よりLGBTQの課題に対して積極的であるということもあり、勉強会の一員として参加をさせていただきました。  ここで、私がなぜLGBTQ課題を積極的に取り組んできたのかをお伝えさせていただきます。  私にはゲイの友人がいます。皆さんは、LGBTQ、同性愛などと聞いてどのような印象を持たれるでしょうか。私は、LGBT、LGBTQという言葉を知るもっと前、同性愛や同性愛者と聞いて嫌悪感を持ったり、冗談半分で差別的な発言をしていた人間でした。もちろん、今は全く考え方は変わっています。そのきっかけをつくってくれたのがゲイの友人です。私自身は、友人を理解するために、まず正しく知ることから始まりました。それまでの私は、多くの認識の違い、それに伴う偏見を持っていました。今は当時のことを心の底から恥ずかしく思います。  今回の条例案には、理解の増進という言葉が含まれております。この点がとても重要であるということは自らの経験で痛感をしており、LGBTQに限らず全ての課題について必要だと感じております。  次に、LGBTQ課題に関する実際にあった三つの事例を御紹介させていただきます。  御紹介をさせていただく前に、本日、この場で私の話を聞いている皆様、そしてオンラインライブ配信も含めた全ての方にお願いがあります。これからの事例、性別という条件を除けば、三つのうちどれかは必ず自分自身に当てはまるものであります。自分の立場と置き換えて少し想像しながら聞いていただけると幸いです。  一点目、一橋大学アウティング事件。  まずはアウティングの御説明をさせていただきます。本日は議長のお許しをいただきました。アウティングを分かりやすく図に表したパネルを用意しておりますので、こちらを御覧ください。     〔パネル図を示す〕
     アウティングとは、本人の了解を得ずにほかの人に公にしていない性的指向や性同一性等の秘密を暴露する行動を指します。この後御紹介する事例に合わせた図となっております。  この図の場合、真ん中の青い人がゲイの当事者であり、この当事者は黄色の二人には自分がゲイであることをカミングアウトしている状態です。青の人がゲイであるということを知った黄色の人が、まだその事実を知らない緑の人たちに暴露をしてしまう、これをアウティングと言います。  このアウティングに似たようなケースを皆さんも幼少期に体験をしたり、もしくは触れたりしているのではないでしょうか。好きな異性がいることを友人に伝える、その友人が周りの友人にばらしてしまう。対象である好きな異性にも知られてしまい恥ずかしい思いをするというような幼少期にありそうなかわいらしいシーンですね。状況はこれと同じであります。  しかし、LGBTの場合は、これが差別や命に関わってまいります。また、LGBTを対象としたアウティングという言葉は、現在はほかの差別問題でも使用をされています。  それでは、改めて実際の事例に戻ります。  二〇一五年四月、一橋大学法科大学院で、ゲイの学生から恋愛感情を告白された異性愛男性がほかの友人にその内容を伝えたことでゲイの学生が悩み、心身に変調を来して転落死したという事件です。先ほどの図と同じです。  裁判での発言、また、プライバシーの関係上、個人名や御出身である市町村名は伏せますが、命を落としてしまったこの方は愛知県出身の学生さんでした。当然、御遺族の方も愛知県在住の方です。  告白された御本人も悪気はなく、悩んだ末にほかの友人に伝えました。しかし、これが結果としてアウティングとなり、暴露されたゲイの学生さんは心身ともに病んでしまい、転落死につながったという内容です。  二例目、理解不足による当事者である身内の自死、自殺という内容です。  こちらは、LGBTQを支える活動をしている団体の皆様のアンケート調査で分かった内容です。  ある高齢男性とそのお孫さんは、もともととても仲がよかった家族でした。そのお孫さんがある時期に自分がゲイであることを認識し、そのことを家族に打ち明けました。すると、LGBTや同性愛などに対する理解どころか知識もなかったおじいちゃんは、孫に対して存在を否定するようなことを言いました。大好きだったおじいちゃんに自分を否定され、ショックを受けたお孫さんは自殺をしてしまったという内容です。  三点目、トランスジェンダー男性を殺害しようとした父親です。  戸籍上は女性の娘さんがいます。戸籍上は女性の方が自分の性別は男性だと性自認を両親にカミングアウト。父親は、戸籍上は娘となるトランスジェンダー男性に対して、おまえは化け物か、おまえを殺して俺も死ぬと言われたそうです。母親が家の中にある凶器と成り得るあらゆるものを全て隠す、または処分をする、そんなような家庭環境に変化したそうです。しかし、その後、父親は周りの方の助言や妻からの説得で少しずつ理解を深め、今では元の親子関係に戻ったそうです。  これら全てに共通していることは、理解不足ということが挙げられます。そして、その理解不足から友人が死んでしまった、孫が命を絶ってしまったというものですが、どちらも命を落とすことを望んでいたとは到底思えない、とても悲しい内容です。三例目は、時間はかかりましたけれど、理解をして改善された例であります。  重要なのは正しい理解です。全ての人がLGBTQを完全に理解することは不可能だと思います。しかし、それは無理であっても、一人でも多くの方が正しく理解をする必要があるのだと認知をすることが必要であると考えます。  今回提出されている条例案には、理解の増進という言葉が含まれており、この点には特に期待をしたいです。また、認知や理解することは時代の流れによっても変わります。身体障害の方々への差別用語がその特徴的な例です。あえて具体的な用語は取り上げませんが、身体障害、例えば聴覚障害や視覚障害のある方などを指し示す差別用語があります。私の個人的な感覚にはなりますが、私が幼少期の頃、三十年以上前、その差別用語は頻繁に使われていたように記憶をしています。  皆さんは、今そういった差別用語を使われますでしょうか。数十年前の障害のある皆さんを指し示す差別用語と同様のことが、LGBTQの皆さんに対しては、悪気の有無に関係なく、今現在、起きている状態であります。  こういった時代の流れは、何か一つの事象で変化するのではなく、少しずつ、一つ一つの積み重ねで変化が起きるのであると思います。  今回の条例の考え方がLGBTQをはじめとしたマイノリティーと言われる方々にとって未来への光となるよう、強く期待をしています。  そこでお伺いをいたします。  県として、性的指向及び性自認の多様性について、県民等の理解を深めるためにこれまでどのように取り組んできたのか、また、愛知県人権尊重の社会づくり条例の考え方に基づき、今後どのように取り組んでいかれるのかをお伺いいたします。  また、県が事務または事業を行うに当たり、愛知県人権尊重の社会づくり条例の考え方に基づき、今後どのように性的指向及び性自認の多様性に配慮していくのかをお伺いいたします。  続いて、愛知県公式ウェブサイトの管理、運営についてお伺いをいたします。  昨年の九月議会において、我が党の神戸健太郎議員が、愛知県公式ウェブサイトのデザイン等の改善についてとして質問をされました。その答弁で、今年度、愛知県公式ウェブサイトのリニューアルを進めているとのことでありました。その中では、掲載される情報を見やすく分類するデザインの改修やスマートフォンユーザーに対する利便性の向上など、これまで以上に利用者にとって使いやすいものになると伺っております。  言うまでもなく、ウェブサイトはインターネットを介して情報を入手できる手段であり、現代社会においては必要不可欠なものとなっております。  ここで、それぞれの総務省のデータを基に状況を確認したいと思います。  個人でのインターネットの利用率は八三・四%、生産年齢人口の基準の一つとして、十三歳から五十九歳までの全階層では九割を超えています。  二〇〇七年、アメリカのアップル社が販売したiPhoneによって世界のインターネットを通じた情報通信環境は大きく変化しました。その一つがスマートフォンであります。  現在の日本国内におけるスマートフォン保有率は、世帯別で八六・八%、個人でも六九・三%。そのスマートフォンを利用したインターネット利用率は全国で六八・三%で、愛知県においては七一・八%との数字が総務省より出ております。  新型コロナウイルス発生もあって、昨年度の愛知県公式ウェブサイトのトップページへのアクセス数は前年度比約七〇%増加したと九月議会での御答弁にもありました。新型コロナウイルス対策の情報をはじめ、刻一刻と状況が変化し、きめ細かな、かつ即時性が求められる情報を発信するに当たっては、愛知県公式ウェブサイトは大変重要なツールであると考えます。  今回のウェブサイトのリニューアルは、先ほどの利用率や利用デバイスの変化にも対応し、また、情報の見やすさ、使いやすさであるUIの改善、各種申請など、情報を得た後の行動であるUXの向上につながるような、利用者にとってより効果的な情報発信を行うことができるウェブサイトになることを大いに期待しています。  そうした中、つい先日、私の元に県民の方からお問合せをいただきました。内容は、県が公表しているある資料をウェブ上でキーワード検索した結果、平成二十四年のものという大変古い資料が検索上位に上がってきたということでした。お問合せいただいたのは先月であります。なかなか最新のものが見つからずにということで、私の元にお問合せをいただきました。  私がそのPDF資料に記載されている愛知県の窓口である連絡先に確認を取ったところ、対象の資料は既になく、最新のものは別に作成をしています、そちらの資料を使ってほしいとのことでした。その後、公式ウェブサイトに掲載されているほかの内容を見ていると、リンク切れが生じているケースも散見されました。  不要となったページをそのままにするのではなく、更新や削除などを適時適切に行っていくことも大事であり、まさに愛知県公式ウェブサイトのUI、UXの改善が必要と感じました。  ウェブサイトには、新しい情報をタイムリーに掲載することが重要であります。そのためには、当然のことながら、職員の方による、情報をウェブサイトに上げる、古い情報は削除するといった作業が必要になります。  こちらも神戸議員の発言にもありましたが、愛知県公式ウェブサイトは、各所属がそれぞれ情報をアップできるCMS(コンテンツマネジメントシステム)という仕組みが二〇〇七年に導入されたことによりタイムリーな情報を迅速に発信できるようになりました。しかし、その影響もあって、現在では、情報量は約三万ページという大変膨大なものになっております。  的確で迅速な情報の更新とリンク切れページをはじめとした古い情報などへの対応、このバランスが難しいことは承知しておりますが、私の元に届いたようなお問合せが起きないためにも、掲載情報を適切に管理、運用していくことも極めて重要であると思います。  そこでお伺いをいたします。  今回のリニューアルでは、利用者側の利便性、UI、UXの向上だけでなく、発信する県側の操作性も含め、管理・運用面について見直されるとのことです。愛知県公式ウェブサイトのリニューアルを機に、管理、運用の面など具体的にどういった点で改善が図られるのかをお伺いいたします。  以上で檀上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 20: ◯県民文化局長水野直樹君) 愛知県のLGBTQ対策についてのお尋ねのうち、性的指向及び性自認の多様性について、県民等の理解を深めるための取組をお答えします。  本県ではこれまで、人権教育・啓発に関する愛知県行動計画において、性的少数者への理解促進を人権の重要課題と位置づけ、差別や偏見をなくし、正しい理解と認識を深めるために必要な施策を実施してまいりました。  今年度においても、十二月四日から十日までの人権週間に合わせて、性的少数者をテーマに含む各種の人権啓発ポスターを作成し、名古屋駅や金山駅などの主要な駅に掲出するとともに、インターネットによる広報を集中的に実施しております。  また、企業向けの啓発資料として、性的指向や性自認にかかわらず誰もが働きやすい職場となるよう、性の多様性に関する基礎知識や企業等における取組事例を紹介したガイドブックを新たに作成し、県のウェブページからもダウンロードできるようにするなど、広く県民や事業者の皆様への啓発を実施しております。  さらに、来年度は、今議会に提案しております愛知県人権尊重の社会づくり条例の施行に合わせ、性的指向及び性自認の多様性などを規定することとした条例の趣旨について、啓発冊子やポスターを作成し、あらゆる世代の皆様に周知するなど、性的指向及び性自認の多様性について、県民や事業者の皆様に理解を深めていただくための啓発等に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、県が事務または事業を行うに当たり、どのように性的指向及び性自認の多様性に配慮していくのかお答えします。  愛知県人権尊重の社会づくり条例案では、県は、その事務または事業を行うに当たり、性的指向及び性自認の多様性に配慮するよう努めるものと規定しています。  そこで、来年度は、新たに性の多様性に係る庁内連絡会議(仮称)を設置し、性的指向や性自認の多様性への配慮に関して全庁的な認識の共有化を図ってまいります。  その上で、窓口対応の留意点や申請書等における性別記載欄の必要性などをはじめ、県の事務事業において配慮が求められる事項を検証し、横断的な取組が必要な事項については、庁内各局の連携の下、その対応策を協議するなどにより、条例の実効性を高めてまいりたいと考えております。  また、県が事務事業における配慮を行うに当たっては、性的指向及び性自認の多様性に関する職員の理解を深めることが何より必要となりますので、各局が行う人権研修の場を活用して、より一層の理解促進に努めてまいります。  こうした取組を進めることにより、性的指向及び性自認の多様性についての理解の増進等を図り、全ての人の人権が尊重される社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 21: ◯総務局長林全宏君) 県公式ウェブサイトのリニューアルの具体的な改善点についてお答えいたします。  公式ウェブサイトの今回のリニューアルは、利用される方の利便性の向上と情報を発信する側の操作性向上も含めた運用面での改善を行い、この三月中にリニューアルすることを予定しております。  利便性の向上の面では、トップページ全体のレイアウトをシンプルにして使いやすさを向上させ、スマートフォンからのアクセスでもストレスなく閲覧できるようにしてまいります。また、AIを活用して、各ページに関連のあるページのリンクを自動で表示するおすすめページの機能を新たに導入するなど、利用される方へより幅広く情報をお届けできるように改善いたします。  ウェブサイトの管理・運用面では、御指摘のあったリンク切れサイトについては、これまでも定期的にリンク切れを抽出して正しいリンク先へ置き換え、不要となったページを削除するなどの対応を各所属において個々に行ってきておりますが、今回の改修では、サイト内でのリンク切れを警告し、各所属で確認できる機能を新たに導入いたします。  加えて、長期間更新されていないページについて、各所属へ定期的に情報提供し、今回のリニューアルに当たって新たに実施する研修や毎年度の操作研修の中で、最新の情報を発信できるよう各所属への意識づけを行ってまいります。  本県の公式ウェブサイトは必要な情報を適時適切に発信していく重要なツールであり、引き続きウェブサイトの適正な管理、運用に努めてまいります。 22: ◯二十五番(田中泰彦君) 異性愛者である私自身、また、この場にいる全ての人々が特徴をお持ちであります。LGBTQの皆さんにとっては、LGBTQであることは、偶然そのような特徴を持って生まれてきているということであり、差別や偏見の対象になってはいけないと思います。  先ほど事例として紹介した一橋大学のアウティングによる自殺に関する事件、御遺族である妹さんのお言葉を一部抜粋してお伝えします。  二〇一五年八月二十四日、突然兄がこの世からいなくなりました。アウティング、プライバシーを暴露することは、その個人情報が差別や偏見の対象と成り得る社会では、人を死に追いやるほどの危険性を伴います。アウティングは、人格権、プライバシー権を著しく侵害する許されない行為です。兄が他界してから五年で社会は変わりました。問題意識を持つ人の声が聞こえてくるようになりました。ですが、いまだに性的マイノリティーが差別や偏見の対象であることを肌身で感じています。これは兄に限った話ではありません。性的マイノリティーの二五%がアウティング被害を経験しているという調査結果があります。この二五%は誰かの大切な人です。誰かのきょうだいで、誰かの子供で、誰かの友人です。知識や理解不足を理由に失うには貴過ぎる命です。一人一人の理解を深め、実効性のある法で命を守るための仕組みづくりが必要です。安心して生きられる社会、兄が生きたかもしれない社会が私は見てみたいです。という言葉です。  先ほどの御答弁で、理解を深めるための啓発活動と全庁的な認識の共有化、県職員の皆さんの理解増進とありました。今回を機に、来年度以降もさらなる理解の増進を期待したいです。  差別はもちろん、御遺族の御発言にもあったように、知識・理解不足を理由に失われてしまう貴過ぎる命、そのような事件がこの世からなくなること、そんな取組になることを期待して終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 23: ◯四十番(丹羽洋章君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 24: ◯議長坂田憲治君) 丹羽洋章議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 25: ◯議長坂田憲治君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時三十二分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 26: ◯副議長(近藤裕人君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  佐藤英俊議員。     〔二十四番佐藤英俊君登壇〕(拍手) 27: ◯二十四番(佐藤英俊君) 通告に従いまして、順次質問をいたします。  初めに、ICT環境の整備について、県立高校において伺います。  国が二〇一九年に打ち出したGIGAスクール構想の下で、児童生徒用の一人一台端末とクラウド活用を前提とした高速大容量の通信ネットワーク環境の整備が進められてきました。  このうち、小中学校の一人一台端末については国の財政支援の下で全国的に急速に整備が進みましたが、高校については、小中学校と同じような財政支援がないこともあり、都道府県によっては整備状況が様々であります。  こうした状況を受けて、昨年十一月には、全国的な企業団体、日本経団連がGIGAスクール構想の確実な実現に向けて、高校においても一人一台PCないしタブレット端末の整備を令和四年度の前半にまで完了すべきであると提言を行うなど、社会的な関心も高くなっております。  また、本年四月から実施される高校の新たな学習指導要領では、情報活用能力を学習の基礎となる資質、能力の一つとして位置づけるとともに、必履修科目、情報Iにおいても、全ての生徒がプログラミングなどについて学習を開始することとなっています。  義務教育段階で学んだ児童生徒が高校に進学しても切れ目なく同様の環境で学ぶことができるよう、高校においても一人一台端末の環境を一日も早く整備することは、高校生の学びを止めない、誰一人取り残されないデジタル社会の実現のためにも極めて重要であり、また、デジタル社会を生きる子供たちにとって、今やタブレット端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムとなっております。  そこで質問をします。  本県の県立高校における生徒一人一台端末環境の整備はどのようになっているのかお伺いします。  次に、GIGAスクール構想のもう一つの柱である通信ネットワーク環境についてであります。  ICT研究校など、タブレット端末が一人一台となっている県立高校では、生徒全員がタブレット端末を持っている環境で、生徒と教員、また、生徒と生徒の間でデジタルデータのやり取りが頻繁に行われるなど、ICTを活用した、これまでになかった形の教育活動に取り組んでいると伺っております。  そうした教育活動を支えるのが通信ネットワーク環境であり、教育現場でデータ通信がスムーズに行われるようにすることは、ICT教育を進めていく上で非常に重要な要素であります。  しかしながら、GIGAスクールに関する資料を見ておりますと、全国的に通信ネットワーク環境の改善が課題であるとされ、本県の県立高校についても例外ではないようであります。  そこで質問いたします。  県立高校の通信ネットワーク環境の改善にどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、教員のICT活用指導力の向上についてであります。  GIGAスクール構想による生徒用の端末と通信ネットワークといったICT環境の整備は、あくまでも手段であり、目的でないことは言うまでもなく、それらをいかに活用してICT教育を行うかが肝要であります。  そのためには、教員のICT活用指導力が必須であり、それが十分ではない教員の指導力の向上を図る必要があります。  しかし、ICT活用指導力の向上は、様々な業務を抱える教員に一方的に求めるだけでは実現は難しく、相応の支援が必要ではないかと思います。  そこで質問をします。  教員のICT活用指導力の向上にどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、私立高校においてもお伺いします。  私は、自民党私学振興議連のPTとして、毎年、幼稚園、高等学校など私立学校の視察を行い、理事長さん、園長さん、校長先生などから教育現場の実情、現場で困っていること、大変なことなどをお伺いしました。  視察した中には、ICT環境の整備が非常に進んでいる高等学校もありました。そこでは、学校での全ての授業、家庭での学習、校外での課外学習、そして、部活動や学校行事にはいつでもタブレットと、時と場所を選ばずに利用されている状況がありました。  例を挙げますと、英語では、ビデオ通話用のアプリを利用してリアルタイムで海外のネーティブイングリッシュと接し、英会話の個別レッスンを行っていました。
     社会では、意見集約のアプリを使って、あるテーマについて、賛成、反対と、そう思った理由をクラスで共有しておりました。  数学では、ノートアプリで画面を共有し、生徒同士で教え合いや学び合いの活動をしたり、生徒が一人一人の学習状況をモニタリングしていました。  理科では、音波を計測するアプリを使い、音の高さを見える化して音の速さを求めたり、音階との関係を明らかにしていました。  体育では、グループで踊ったダンスを録画して何度も見直すことでより効果的な練習になっており、毎回の授業を振り返って自分自身の進歩に気づくとのことです。  また、学校と家庭の連絡、課題のやり取りも全てタブレットで行っており、欠席連絡の電話は必要ないということもお聞きしました。遠隔授業も行っており、体調管理アンケートで生徒の健康観察にも利用されておりました。  ただいま申し上げたのは、ICT活用の一部の例であります。実際に使用可能なアプリは五十種類以上あり、各教科の授業や日頃の学校生活で活用されているとのことでした。  こういった高等学校の例もありましたので、私立高等学校では非常にICT化が進んでいるという印象を持っておりました。  また、統計的にどうなっているのか気になりましたので調べてみますと、直近では、今年の二月に文部科学省から高等学校における学習用コンピュータの整備状況についての調査結果が公表されていました。その調査では公立の高等学校のデータしか掲載されていませんでしたが、本県の高等学校、公立高等学校について見てみると、令和四年四月一日現在の見込みで、生徒数十一万二千六百五十二人に対してパソコンの整備台数が六万二千三百二十二台となっており、率にすると五五・三%になっておりました。  そこで質問をいたします。  本県の私立高等学校や専修学校高等課程における生徒一人一台端末の現在の整備状況がどのようになっているのかお伺いします。  また、私立学校では、独自の建学の精神の下、それぞれの教育方針に沿って運営されており、ICT環境の整備についても、各学校設置者の判断で行われております。  そういった判断の下で、各私立学校におけるICT環境の整備についても着実に進んでいると考えますが、一方で、ICT環境の整備費については多額の費用が必要なため整備が進まないといった意見も学校関係者からお聞きしております。  そこで質問をいたします。  私立高等学校や専修学校高等課程においても、生徒一人一台端末をはじめとするICT環境の整備を促進する必要があると考えますが、県としての認識をお伺いします。  続いて、薬物乱用防止教育についてお伺いいたします。  私は、地元一宮市で保護司として活動をさせていただいております。私と同期の中村竜彦議員も保護司であり、彼は豊橋市で御活躍されております。  保護司として、いろいろな対象者に接する中、問題の根が深く、立ち直りが長くなるのが薬物乱用関連事犯であると思います。そして、近年、若者の大麻関連の事犯が多いということがとても気になるところであります。  厚生労働省が昨年取りまとめた二〇二〇年の薬物情勢に関する統計によりますと、大麻所持などで検挙された人数は五千二百六十人で、前年より六百九十人増加し、七年連続で増え、過去最多を更新しました。  大麻による検挙者のうち、二十代は全体の約半数の二千六百十二人で、十代は八百九十九人、中学生が八人、高校生が百五十九人含まれていて、二十代、十代を合わせると全体の六五%を占め、低年齢化が顕著であることも明らかになりました。  大麻使用の生涯経験率についても、令和元年(二〇一九年)において一・八%で、欧米各国が二〇から四〇%であるのと比較して著しく低い水準ではありますが、平成十九年の〇・八%と比べると二倍以上になっており、過去一年間の経験者数については、最低でも九・二万人存在していると推計されています。  このような状況に至った背景には、インターネットやSNS等の普及により違法薬物に関する様々な情報へのアクセスが容易となり、若年層が大麻を入手しやすい環境にあることや、一部の国や州における大麻の合法化について、その合法化された背景、合法化の範囲や使用に係る制約、制限などの正確な情報が伝わっていない一方で、大麻に有害性はない、大麻は健康によい等の誤った情報がインターネット等で氾濫していることに一因があると考えられています。  警察庁は、令和二年十月から十一月、大麻取締法違反の疑いで摘発された容疑者七百四十八人に、初めて使った動機や危険性の認識について調査しました。  動機については、半数以上が好奇心や興味本位と回答しました。危険性の認識は全くないが三六%、あまりないが四一・六%で、合計七八・二%に上り、逆に危険性が大いにありは二・五%、ありは一四・二%で、合計一六・七%しかなかったということです。  また、その入手先は、知人、友人からが四二・六%、インターネットを利用してが三九%でした。  初めて使用したきっかけは、誘われてが六九・五%で最多、年齢は十代が四八・三%、二十代が三八・五%と、計八六・八%を占めました。最年少は何と十二歳でありました。  こうした調査を裏づけるように、若年層の大麻使用による摘発の報道が目につきます。  一昨年十月には、関東の大学球界の名門大学野球部と関西学生リーグ一部所属の名門大学サッカー部での大麻使用問題が相次いで発覚したのも記憶に新しいところであります。  愛知県でも、昨年九月、新型コロナウイルス感染症の持続化給付金をだまし取ったとして、愛知県警は、詐欺容疑で大学生と共謀した確定申告書の偽装に関与したとして、知人の二十代の税務署職員を逮捕しました。その家宅捜査で大麻が見つかったとして、大麻取締法違反で再び逮捕されました。  また、先月二月十四日の報道では、愛知県の大学の留学生が大麻の密輸入で摘発され、二月十九日には、大阪の高校で生徒が所持していた大麻を先生が没収したのに警察に届けずに隠蔽したという報道がありました。全国で若者の薬物関連事犯の報道は後を絶ちません。  つい先日の報道では、約二十三億五千万円相当の大麻をアメリカから営利目的で密輸したとして、愛知県警は二月二十八日、麻薬特例法違反などの疑いで暴力団員らを追送検しました。もしこの大量の大麻が社会に出回り、どれだけの青少年の手に渡ったかと思うと恐ろしい限りであります。  厚生労働省は、第五次薬物乱用防止五か年戦略において、児童生徒等の薬物乱用の根絶に向けた規範意識の向上を図るために、青少年を中心とした広報、啓発を通じた国民全体の規範意識の向上による薬物乱用未然防止を目標の一つに掲げ、引き続き小学校、中学校及び高等学校における薬物乱用防止に関する指導の徹底、教育内容の充実を図るとともに、大学等における学生に対する啓発を推進するなど、学校における薬物乱用防止教育を一層推進することが求められているとしています。  また、平成三十年十二月に文部科学省から各都道府県教育委員会等に発出された薬物乱用防止教育の充実についてという通知において、文部科学省は、薬物乱用防止に関するより一層の指導の徹底について求めております。  その主な項目は、一、薬物乱用防止教育の内容の充実強化、二、薬物乱用防止教室の充実強化、三、学校と警察等関係機関、団体との連携強化、四、研修等を通じた指導方法、指導者の資質向上、五、大学等の学生に対する薬物乱用防止のための啓発の推進の五つであります。  この中で最も強く指導されたのが、薬物乱用防止教室の充実強化であります。  薬物乱用防止教室は、学校保健計画に位置づけ、全ての中学校及び高等学校において年一回は開催するとともに、地域の実情に応じて、小学校においても開催に努めることと、児童生徒の早期より学校においての薬物乱用防止教室が効果的であるとしております。  そこで質問をいたします。  県教育委員会は、薬物乱用防止教室をはじめとした薬物乱用防止教育について、どのように取り組んでこられ、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  また、文部科学省の令和二年度薬物乱用対策推進地方本部全国会議の薬物乱用防止教育の推進についての資料に、平成三十年度薬物乱用防止教室開催の状況がありました。愛知県では、公立中学校では九九%、公立高等学校では九五・二%開催されていますが、私立中学校では九・五%、私立高等学校では五六・四%しか薬物乱用防止教室が開催されていませんでした。  公立中学校、高等学校と比較して、私立中学校、高等学校での薬物乱用防止教室の開催率が低いと思われることから、私立学校の薬物乱用防止教室が公立学校に比べて進んでいない状況が推察されます。  そこで質問をいたします。  私立中学校、私立高等学校における薬物乱用防止教室をはじめとした薬物乱用防止教室の促進について、県はどのように取り組んでこられ、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  最後に、刑務所出所者等に対する福祉的支援についてお伺いします。  警察庁の統計によりますと、二〇二〇年の刑法犯認知件数は約六十一万四千件で、十八年連続して減少しております。そして、検挙された人数も約十八万二千人で、二〇〇五年以降、これも減少しております。  しかし、その検挙人数のうち再犯者数は約八万九千人で、全体の四九%を占めており、犯罪が減少している中、再犯の割合が高くなっている状況が続いております。  本県においても、二〇〇三年の刑法犯認知件数が約二十二万六千件に対し二〇二〇年は約四万件と五分の一以下になりましたが、再犯者数は二〇一九年の検挙人数一万三千二百三十五人中六千二百七十一人と四七・四%になっており、再犯率は高く、再犯のない安全なまちづくりを推進する上で、再犯防止対策は極めて重要な課題となっております。  こうした中、国においては、再犯防止対策を進めるために、二〇一六年に公布、施行された再犯防止推進法に基づき、二〇一七年十二月に再犯防止推進計画を閣議決定し、就労・住居の確保や保健医療・福祉サービスの利用の促進など、七つの重点課題を挙げて具体的な施策に取り組んでいます。  本県においても、昨年三月に再犯の防止等の推進に関する法律に基づき、二〇二一年度から二〇二五年度の五年間を計画期間とする愛知県再犯防止推進計画を策定し、保護観察期間を終了した方などに対して、継続して面談を行い、職場定着に向けたフォローアップ支援を実施する刑務所出所者等職場定着支援事業や、弁護士が定期的な面接を行い、刑事司法手続以外の部分でも法律的な支援を継続して実施する寄り添い弁護士制度など、様々な取組を進めていただいているところであります。  そもそも刑務所を出所した人たちは、住まいを借りたり、就職をしたりするのは簡単ではありません。身寄りのない高齢者の元受刑者は、連帯保証人を見つけられずに住居を借りることができないケースが少なくないのです。また、元受刑者が、就職活動で、前科を正直に履歴書に書いて就労を断られたり、前科があることを会社に告げずに就職をし、後で知られて辞めさせられるケースも多く見られるということです。  こうした元受刑者の住居の確保と仕事を見つける困難さは、その境遇によっても差があります。受刑者は、服役中の行動により、身元引受人がいれば仮釈放を認められることもあります。しかし、身元引受人がいないために仮釈放を認められなかった満期釈放者は、出所後も帰る場所や頼る人がいなく孤立しやすいということです。孤立し、生活に行き詰まれば、再犯のリスクも高くなるわけです。  二〇一九年に出所した受刑者のうち、二年以内に刑務所に戻る再入率は、満期釈放者が二三・三%、仮釈放者が一〇・二%と、満期釈放者が二倍以上になっています。  また、仮釈放された場合でも、社会での更生をサポートし再犯を防止するため保護観察に付されますが、この保護観察終了時に無職であった人の再犯率は二四・八%、職があった人の再犯率七・八%に比べ三倍も高くなっています。  このように、再犯防止に向けて、まず安定した生活環境を整えるために住居や就労の確保が必要となります。あわせて、罪を犯した人が陥りがちな社会的孤立を防止するため、困ったときにいつでも相談できる環境が社会の中にあるのが重要であると思われます。  また、高齢社会の進展とともに、六十五歳以上の高齢者による犯罪も増加しています。  近年、刑務所に収容される受刑者の数が減少傾向にある中、高齢者受刑者の数は増加をたどり、受刑者の高齢化も急速に進んでいるということです。また、高齢受刑者の約五五%は万引き等の窃盗によるものですが、その多くは再犯者であります。  こうした者の再犯を防止し、社会復帰を支援するには、刑務所に限らず、刑事手続の各段階において、支援を必要とする者を病院や福祉機関等につなげることが重要でありますが、刑事司法関係機関と福祉機関等との連携は十分とは言い難く、適切な支援を受けられないまま、万引きなどの罪を犯して再び刑務所へ戻る者が後を絶たないのであります。  特に、高齢や障害のある刑務所出所者等については、社会の中で生活していく上で問題を抱えている場合が多く、人と人とのコミュニケーションを取ることが苦手であったりするケースがあります。  また、年金の裁定請求や障害者手帳の申請、場合によっては生活保護の申請など、各種の福祉的サービスを利用するための手続支援なども必要となります。そのため、こうした方々に対しては、対象者それぞれの状況に応じた福祉的な支援が途切れなく行われることがより重要となってきます。  そこで質問をいたします。  刑務所出所者等に対する福祉的支援について、県はどのように取り組んでいかれるのかお伺いします。  以上、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 28: ◯教育長長谷川洋君) 県立高校におけるICT教育環境の整備についてお答えいたします。  初めに、本県の県立高校における生徒一人一台端末環境の整備についてでございます。  県立高校の生徒用タブレット端末につきましては、これまでに四万八千台を整備し、ICT研究校、商業科、定時制、通信制、山間部などの五十八校に一人一台となるよう重点的に配備をしてまいりました。  これに加えまして、今年度の十一月補正予算により、今年度末までに一万四千台を整備し、工業、農業及び水産学科の二十一校へ一人一台となるよう配備をいたします。  さらに、一月補正予算により、今年の八月末までに五万四千七百三十四台を追加整備し、一人一台となっていない七十校へ配備することによりまして、県立高校全校の全学年において、生徒一人一台端末の環境が整うことになります。  なお、文部科学省の調査による全国の公立高校における端末の整備状況でございますが、保護者負担や学年進行による場合も含めて、全学年の一人一台環境が今年度までに整うのが十九県、来年度は本県を含めまして五県となっており、残る二十三県では、二〇二三年度あるいは二〇二四年度の完了予定となっております。  次に、通信ネットワーク環境の改善についてでございます。  県立高校の通信ネットワークにつきましては、昨年度、増強整備を行い、各教室と各生徒の自宅とをつなぐリモート授業などを行うことが可能となりましたが、学校内で大勢の生徒が一斉に端末を使用する際にインターネットに接続しづらいという状況がございます。  議員お示しのとおり、通信ネットワーク環境はICT教育を支える重要な基盤であり、生徒一人一台の端末を様々な教育活動において有効に活用できるよう、今後、各学校の通信ネットワークの点検を行い、より高速なインターネット接続プランへの変更などによりまして、通信ネットワーク環境の改善に取り組んでまいります。  次に、教員のICT活用指導力の向上についてであります。  教育委員会では、毎年開催する全県立学校の情報担当者を対象とした研修のほか、初任者研修などの中でもICTの活用に関する内容を盛り込んでおります。  これらに加えまして、今年度から始めた基礎から応用までのICTスキルを広く県内の教員に普及、指導できる教員、あいちクラスルーム・エバンジェリストと呼んでおりますが、これを養成する取組を来年度から総合教育センターの研修事業として実施をしてまいります。  さらに、ICT研究校などで実践されている具体的な取組事例を全県の学校に発信することによりまして、ICT活用指導力の向上を図ってまいります。  また、教員への支援といたしましては、専門事業者への委託により、常駐のヘルプデスク業務を継続するほか、学校現場で情報機器の効果的な使用方法など教員のICT活用を支援する情報通信技術支援員(ICT支援員)を来年度県立学校へ新たに派遣し、教員への支援体制を充実させてまいります。  さらに、教育委員会事務局組織の見直しを行い、今年の四月から、学習教育部にICT教育推進課を設置いたしまして、ICT教育の推進体制を強化してまいります。  こうしたICT環境の整備や教員の指導力向上などによりまして、より質の高いICT教育を推進し、生徒一人一人の個別最適化された学びと、社会とつながる協働的な学びを実現してまいります。  次に、薬物乱用防止教育についてのお尋ねのうち、県教育委員会の取組についてお答えをいたします。  まず、薬物乱用防止教育につきましては、発達段階を踏まえ、保健体育科などの関連する教科や特別活動等、学校教育活動全体を通じて指導をしております。  県教育委員会からは、市町村教育委員会及び各県立学校に対しまして、中学校及び高等学校において、地元の警察や学校薬剤師など外部の専門家による薬物乱用防止教室を年一回以上開催し、児童生徒への薬物乱用防止に関する指導を徹底するよう依頼しており、おおむね全ての中学校、高等学校で実施をされております。  また、今年度は、私立学校を含めた中学校、高等学校の指導担当者向けに薬物乱用防止に関する研修会を開催するとともに、市町村の生徒指導担当者を対象とした会議におきまして、警察職員から地域における薬物乱用の状況について情報提供を受けるなどの取組を行っております。  次に、今後の取組についてでありますが、県教育委員会といたしましては、警察等の関係機関と連携し、全ての中学校、高等学校において、毎年、薬物乱用防止教室が開催されるよう、引き続き働きかけてまいります。  また、指導者向け研修会や生徒指導担当者会議におきまして、昨今の地域における薬物乱用の状況や最新の知見を共有して、子供たちの薬物乱用の根絶に向けてしっかりと取り組んでまいります。 29: ◯県民文化局長水野直樹君) ICT教育環境の整備についてのお尋ねのうち、本県の私立高等学校や専修学校高等課程における生徒一人一台端末の現在の整備状況についてお答えします。  まず、本県の私立高等学校五十五校における生徒一人一台端末の整備状況は、昨年七月に取りまとめられた文部科学省の私立高等学校等におけるICT環境の整備状況調査によれば、生徒六万百六十九人に対し、生徒一人一台端末は二万八千二十九台、生徒一人当たり整備率は四六・六%となっております。  また、同調査では、一人一台端末に加えて、学校のパソコン教室の端末を含めた台数も調査しており、この場合は七千百六十一台が加わり三万五千百九十台となり、生徒一人当たり整備率は五八・五%となっております。  次に、専修学校高等課程の生徒一人一台端末の整備状況については、文部科学省等による全国的な調査は行われてきておりませんが、今後、県として施策を推進していくに当たっては状況を把握する必要があるため、文部科学省の調査に準じて、独自に専修学校高等課程におけるICT環境の整備状況を調査してまいりたいと考えております。  次に、私立高等学校や専修学校高等課程において、生徒一人一台端末をはじめとするICT環境の整備を促進することについて、県としての認識をお答えします。  議員お示しのとおり、ICT環境の整備の促進は極めて重要であり、本県はこれまで、私立学校施設設備整備費補助金を活用し、私立高等学校の学習用端末及びネットワークの整備について、コンピューター、ソフトウエア、そして、プリンターやスキャナーなどの周辺機器、さらにプロジェクターや電子黒板等の視聴覚機器、また、校内LANなどを対象に、経費の二分の一を補助し、教育条件の向上を図ってまいりました。  さらに、専修学校高等課程のICT環境の整備については、従来、私立学校施設設備整備費補助金の補助対象としておりませんでしたが、今年度から補助対象に加え、整備の促進を図っているところであります。  一方、ICT教育の推進に当たっては、教員のICT活用指導力の向上が重要となることから、私立高等学校については、私立学校経常費補助金の配分額算定に当たって、教員の情報教育に関する指導力向上に向けた取組を配分項目として設定しております。  今年度は、学校教育の情報化指導者養成研修をはじめとする研修へ教員を派遣している学校十一校十九人に対し、一人当たり六万円、合計百十四万円の補助を行っており、今後さらにこうした補助制度を周知し、しっかりと取組を支援してまいります。  そして、本年四月からの高校の新たな学習指導要領の実施を踏まえ、国におけるICT環境整備に向けた補助制度の情報を積極的に私立学校に提供するとともに、本県の私立学校施設設備整備費補助金や私立学校経常費補助金を活用して、私立高等学校や専修学校高等課程のICT環境の整備を促進してまいります。  次に、私立中学校、私立高等学校における薬物乱用防止教育の促進について、県の取組をお答えします。  本県では、薬物乱用防止対策に関し、関係行政機関の緊密な連携を図るとともに、総合的かつ効果的な対策を強力に推進するため、知事を本部長とする愛知県薬物乱用防止対策推進本部を設置しており、県民文化局では、私立学校の教育現場における薬物乱用防止対策の促進などを担い、薬物乱用防止に関する文部科学省通知を周知するとともに、啓発資材の配布を行っております。  さらに、本県では、私立学校における薬物乱用防止教室の開催をはじめとする薬物乱用防止教育について、私立学校経常費補助金の配分項目の一つとして補助対象とすることにより、薬物乱用防止対策を促進しております。  具体的には、私立高等学校において、外部講師等による薬物乱用防止に関する講演会、研修会を実施していること、または、警察、市町村及び地域等で実施する薬物乱用に関する啓発活動等に参加していることを要件に、今年度は三十校に対して、一校当たり三十万円、合わせて九百万円の補助を行っており、今後、さらにこうした補助制度を積極的に周知し、取組を支援してまいります。  また、現在は薬物乱用防止教育が補助金の配分項目となっていない中学校についても今後対象とすることについて、補助制度全体のバランスの中で研究してまいります。  こうした取組を積極的に実施するとともに、関係機関とも連携を図り、私立中学校や私立高等学校等における薬物乱用防止教育について、しっかりと支援してまいります。 30: ◯福祉局長(岡本範重君) 刑務所出所者等に対する福祉的支援についてお答えいたします。  刑務所出所者等に必要な福祉的支援を行うことは、再犯防止の観点からも重要なことと考えております。
     本県では、刑務所出所者等のうち高齢や障害により支援を必要とする方を対象に、地域生活定着支援センターを設置して、社会復帰や地域生活への定着に向けた支援を実施しております。  センターにおいては、刑務所等への入所中から本人と面談を行い、出所後の居住場所などの確保、介護保険・障害福祉サービス等の利用手続を進めるとともに、出所後においても家庭訪問による相談支援を継続するなど、支援を必要とする方に寄り添った対応を行っております。  一方、刑務所出所者等で働く能力のある方が生活が困ったときに、いつでも福祉事務所などの自立相談支援機関に相談できるよう、保護司会や更生保護施設などに対してリーフレットや窓口一覧等を送付するなど、社会的に孤立しないよう連携を図ってまいります。  今後とも、福祉的支援を必要とする刑務所出所者等の方々の社会復帰が円滑に進むよう、関係機関と連携してしっかりと取り組んでまいります。 31: ◯副議長(近藤裕人君) 進行いたします。  久野哲生議員。     〔五十八番久野哲生君登壇〕(拍手) 32: ◯五十八番(久野哲生君) それでは、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  初めに、空き家対策についてお伺いします。  我が国において、少子・高齢化の進展に伴う人口減少が加速する中、全ての世帯数よりも住宅総数が上回り、空き家の数もまた増加してきております。地元でも空き家が目立ってきていることが実感できるところです。  それでは、今、空き家はどのくらいあるのでしょうか。二〇一八年に実施された住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家数は約八百四十九万戸で、二〇一三年の前回調査から約二十九万戸増加し、空き家率も一三・六%と前回調査からは〇・一ポイント増加し、いずれも過去最高となりました。  空き家率の推移は、統計を取り始めた今から六十年近く前の一九五八年では二・〇%であったものが、二〇〇三年には一二・二%となり、二〇一八年では一三・六%と、一貫して上昇を続けております。  一方で、本県の状況はというと、空き家数は約三十九万戸で、前回調査から約三万戸減少し、空き家率も一一・三%と全国値よりも二・三ポイント低く、また、前回調査からも一ポイント減少という結果になっています。  それでは、本県では、空き家数、空き家率がともに少なくなっているので問題がないのかといえば、決してそうではないと思います。  調査においては、空き家は種類で四つに分類されます。一つ目が、別荘やセカンドハウスなど、ふだんは人が住んでおらず、たまに使用される二次的住宅、二つ目が賃貸のための賃貸用の住宅、三つ目が売却のための売却用の住宅、そして、四つ目が前の三つに属さないその他の住宅です。  この約三十九万戸の空き家の種類の内訳を見てみますと、二次的住宅が約七千戸、賃貸用の住宅が約二十三万戸、売却用の住宅が約一万戸、居住目的のない空き家であるその他の住宅が約十四万戸となっています。  もう少し詳しく見てみますと、本県の空き家の種類のうち、全空き家数の約六割を占めるのが賃貸用の住宅で、前回調査から空き家数が減少した理由は、主にこの賃貸用の空き家が約三万三千戸減少したためでありますが、これらは言わば管理者による適正な管理が期待できる空き家と言えるものであります。  その一方で、その他の住宅は県全体で前回調査から約八千戸増加しており、この中には、居住目的もなく長期間空き家になっていて適正な管理がなされていないものも含まれます。つまり、問題のある空き家が減少しているとは必ずしも言えない状況なのです。  それでは、なぜ空き家が増加するのかという点についてであります。  昨年十一月に、二〇二〇年の国勢調査の結果が公表されました。これによりますと、我が国の人口は約一億二千六百万人で、前回の二〇一五年の調査から約九十五万人が減少、ピークの二〇一〇年から百九十万人減少しています。  その一方で、六十五歳以上の高齢者の人口は約三千六百万人で、前回調査から約二百二十三万人の増加、率にして人口の二八・六%に上り、これは世界で最も高い水準であります。  このような中、本県の人口は約七百五十四万人、全国で増加を維持している八都県の一つとして前回調査から約六万人増加、また、高齢化率は二五・三%で、これは全国で沖縄、東京に次ぐ低い水準でありますが、前回調査から一・五ポイント増加し、高齢化は本県においても進行しています。  本県の高齢者の状況を詳しく見てみますと、まず世帯の状況でありますが、世帯主が六十五歳以上の世帯では約二七%が単独の世帯、いわゆる独り暮らしであり、これが七十五歳以上になりますと三四%に上昇します。  さらに、住居の状況でありますが、持家に住む世帯の割合は、県平均では約六割でありますが、六十五歳以上では約八割であります。つまり、独り暮らしの高齢者の多くが持家に住むといった現状が浮かび上がってくるわけであります。  こうした状況下で空き家が増えていく理由は様々考えられます。  例を一つ挙げますと、独り暮らしの高齢者が介護を必要とする状態になったため施設に入所しなければならなくなると、自宅が空き家になってしまいます。このようなことに備え、本人が片づけを始めても、昔のことを思い出してなかなか整理が進まなかったり、既に認知症を患い、いろいろなことが判断できなくなっていたりするということも聞きます。  また、そんなこんなで子供が空き家になった実家を相続した場合でも、兄弟間で管理ができないので売りたい、両親の思い出の詰まった実家を売りたくないとか意見が食い違い、なかなか話が進まないこともあるといった話も耳にしました。  これらのことを考えますと、今後、本県においても空き家が増加していくことは言わば必然であります。  誰も利用しない住宅を管理せずに長い間放置するとどうなってしまうのでしょうか。  人が住んでいないと住宅は一気に傷んでしまい、屋根材や外壁材が剥がれ落ちたり、台風で飛ばされ隣家を破損させたり、柱が腐ったり傾いたりして倒壊のおそれが生じることもあるでしょう。  また、破損による倒壊の危険だけでなく、生い茂った庭木が景観を乱したり、ごみなどが散乱し、悪臭、害虫が大量に発生したりして、周辺の居住環境を著しく損なうことも考えられます。  地域住民の安全で安心な暮らしを守るためにも、また、所有者としての管理責任を問われないためにも、空き家対策をしっかりと行っていくことが重要であります。  このため、空き家対策を進める上で行政の関与が必要として、市町村が積極的に空き家対策を進められるよう、二〇一三年十一月に空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家等対策特措法が制定され、翌年五月に全面的に施行されました。  法施行により、市町村では、固定資産税の課税に関する事務のために利用する空き家の所有者等に関する情報が空き家対策のために内部において利用できるようになりました。  これにより、危険な空き家の解体、除却、危険な空き家にならないための適正管理の促進、空き家の流通の促進などに関して、所有者等への直接的な働きかけが可能になったことで、市町村において空き家対策に関する様々な具体の取組が進められているところであります。  空家等対策特措法が施行後六年を経過し、私の住む名古屋市においても、昨年一月に、法に基づく措置の一つで、所有者が分からない危険な空き家を市が自ら除却する略式代執行が実施されました。  この空き家の所在は名古屋市西区で、木造瓦ぶきの平家で、規模は十坪程度であったと聞きます。所有者は不明、大正時代に建てられ、五十年前から空き家になっているものです。屋根や瓦は抜け落ち、建物外部にとどまらず、内部にまで草木が生い茂り、まるでジャングルのような状態だったとのことです。また、道路にも面していますので、このまま放置され続ければ周辺住民や通行人などに重大な被害を及ぼしかねない状態であるとして、市が強制的に除却に踏み切ったものであります。  空き家は個人の財産という壁もあり、市町村が実施するには、所有者に対する助言、指導から始まり、強制除却に行き着くまでには粘り強い対応が求められ、非常な手間と時間がかかる現実があります。  このように、市町村が強制的に空き家の除却を行うといった事例は県内でも数件あるのみで、愛知県で一番大きな名古屋市においてさえ初の事例であります。ましてや、ほかの市町村においては様々な制約から踏み切れずにいることもあると思います。  代執行は最終手段でありますが、そこに至らないように様々な空き家対策が必要であり、それらを進めていくためには県の支援が欠かせないところであります。  市町村が空き家対策の実務を推進するためには、県が空き家対策を講じる際の参考とするための情報提供や技術的助言を適切に行うほか、特に財政上の支援といった役割を果たすことは不可欠であり、法において、このことが都道府県の役割として定められているところであります。  そこでお尋ねします。  空家等対策特措法が施行されてから六年が経過し、これまで県はどのようなことに取り組み、また、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、あいち観光戦略二〇二一─二〇二三に基づく新年度の観光施策についてお伺いします。  新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受ける二〇一九年まで、世界の旅行市場は大きな成長を続けていました。  国連世界観光機関によれば、世界全体での宿泊を伴う海外旅行者数、いわゆる国際観光客到着数は一九五〇年の二千五百万人から右肩上がりで増加しており、一九八〇年には二億七千八百万人、二〇〇〇年には六億七千四百万人、二〇一九年には十四億六千万人となっております。  二〇一一年に同機関が発表した長期予測では、六十年以上も成長を続けてきた過去の実績から、国際観光客到着数は二〇三〇年には十八億人に届くとしていました。  こうした状況の中で、我が国は、二〇〇三年に当時五百万人程度であった訪日外国人旅行者数を二〇一〇年までに千万人とする目標を掲げるとともに、二〇〇六年に観光基本法を全面改正した観光立国推進基本法が成立し、二〇〇八年には観光庁が発足するなど、国を挙げて観光の推進に取り組んできました。  訪日外国人旅行者数は、二〇〇八年のリーマンショックや二〇一一年の東日本大震災などで一時的に伸び悩んだものの、二〇一二年末からの円安や二〇一三年のタイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、二〇一五年の中国向けのビザ要件の緩和等により再び増加に転じました。  そうしたことから、訪日外国人旅行者数は二〇一三年に初めて千万人の大台を超え、二〇一五年には千九百七十四万人となって二千万人台に迫り、大阪万博が開催された一九七〇年以来、四十五年ぶりに訪日外国人旅行者数が日本人の海外旅行者数を上回りました。  これを受けて、国は、二〇一六年に明日の日本を支える観光ビジョンを策定し、訪日外国人旅行者数について、二〇二〇年に年間四千万人、二〇三〇年に年間六千万人とすることを目標として掲げました。  二〇一九年の訪日外国人旅行者数は三千万人台を超え、三千百八十八万人となり、好調が持続していました。本県においても、二〇一五年にあいち観光元年宣言を発出し、自動車をはじめとするモノづくり産業に続く愛知の新たな戦略産業として観光を位置づけ、その振興を図っていくことを明確に打ち出しております。  そうした中で発生したのが新型コロナウイルスの世界的な感染拡大であります。二〇二〇年一月の国内初感染後、同年四月をピークとした感染拡大の第一波から本年の年明けからのオミクロン株による第六波まで、その影響は既に二年以上にわたっております。  観光は特に大きな打撃を受けており、日本政府観光局が発表した二〇二一年の訪日外国人数は、感染拡大に伴う入国規制が響き、僅か二十四万人強まで減少し、一九六四年に統計を取り始めてから最低となりました。コロナ禍の影響がなかった二〇一九年との比較では九九・二%減という惨たんたる状況であります。  インバウンドの見通しが立たない中で期待されるのは、日本人による国内旅行です。  二〇一九年までは、日本人による国内旅行が、訪日外国人旅行も含めた我が国全体の旅行消費額の八割を占めていました。現在は、日本人が海外旅行へ行くことも難しい状況なので、その分も国内旅行に回れば相当な市場規模となります。  そうしたことから、国内旅行の促進で需要の回復を目指すのが国のGoToトラベル事業や本県のLOVEあいちキャンペーンなのですが、こちらも度重なる感染拡大により停止を余儀なくされ、実施が思うように任せない状況にあります。  このように、新型コロナウイルス感染症への対応は喫緊の課題ですが、それ以外にも、観光にとって中長期的に対応していかなければならない課題があります。  その一つが、人口減少の問題です。  さきの質問でも触れましたが、国勢調査の確定値による二〇一五年と二〇二〇年の比較では、我が国の総人口は五年間で九十五万人減少しており、国立社会保障・人口問題研究所が二〇一七年に発表した将来推計人口によれば、二〇一五年に一億二千七百万人だった総人口が二〇六五年には八千八百万人まで減少すると予測されています。  人口減少によって国内の旅行市場は確実に縮小していくことから、コロナ禍における当面の対応として日本人の国内旅行の促進を図るとしても、中長期的にはインバウンド需要を取り込んでいくことが必要です。  もう一つの課題は、デジタル化への対応であります。  アップル社のスマートフォン、iPhoneの発売が日本で開始されたのは僅か十数年前の二〇〇八年です。  総務省が昨年六月に発表した通信利用動向調査によれば、スマホの世帯単位の保有状況は、二〇一〇年に一〇%程度だったものが二〇一七年には七五%を超えてパソコンを抜き、二〇二〇年には八七%まで上昇しております。  この十数年で情報機器の中心がスマホとなり、観光を含むあらゆる分野で情報収集、情報発信の形態が大きく変化したことは間違いありません。  ミレニアル世代と呼ばれる一九八一年以降に生まれ二〇〇〇年以降に成人を迎えた世代は、インターネットが当たり前の時代に育ったデジタルネーティブであり、学生時代からスマホを使いこなし、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNSの利用にも積極的です。  さらに、一九九〇年後半から二〇〇〇年代に生まれた若者はZ世代と呼ばれており、物心がついたときから既にデジタル技術が発達しており、インターネットやオンラインの世界に慣れ親しんでおります。  こうした世代は、消費行動やライフスタイル、価値観などがほかの世代とは異なると言われており、観光のターゲットとして狙いを定めていくにはデジタル化への対応が不可欠になると考えます。  こうした中、本県においては、二〇二〇年十二月に、二〇二一年度から二〇二三年度を計画期間とするあいち観光戦略を策定しました。  その一つ前の計画であるあいち観光戦略二〇一六─二〇二〇では、二〇一五年のあいち観光元年宣言を受けて、訪日外国人旅行客誘致に向けたプロモーションと受入れ体制の強化や観光資源の充実とブランド化の推進、観光交流拠点県としての機能強化などを戦略の柱とし、様々なプロジェクトが実施されました。  二〇一七年からの三年間、JRグループ等と連携して実施した愛知デスティネーションキャンペーンをはじめ、二〇一九年のラグビーワールドカップ開催の機会を捉えた訪日外国人旅行者の誘客やアイチ・スカイ・エキスポの開業など、取組は順調であったと思います。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、二〇一九年まで順調に推移していた計画の数値目標の達成状況が二〇二〇年に大幅に低下してしまいました。  例えば、観光消費額では、二〇二〇年の目標値一兆円に対し二〇一九年に八千六百億円まで到達していたものが、二〇二〇年には四千七百億円と大きく減少しております。  こうした中で策定された現行のあいち観光戦略二〇二一─二〇二三は、変化の激しい状況に的確に対応していくため、計画期間を従来の五年間から三年間に短縮するとともに、観光消費額の目標数値を再び一兆円に設定するなど、観光の再生を意識したものであると思います。  また、施策立案、実施に当たっての基本的な方針として、独自の魅力、強みの強化や、データ等の合理的根拠に基づく取組に向けて、EBPMの実践とデジタルの活用を掲げるなど、中長期的な課題にも対応する内容であると考えております。  あいち観光戦略は、先行きの見通しが立たない難しい状況の中で本県の観光振興の方向を示したものであると評価しておりますが、三年の計画期間のうち二年目となる二〇二二年度は中間点となることから、目標の達成に向けて施策の中身が重要になります。  そこでお尋ねします。  二〇二一年度から三年間を計画期間とするあいち観光戦略の中間点となる新年度は、どのような施策に力点を置いて取り組んでいくのかお伺いします。  以上で壇上からの質問を終了します。御清聴ありがとうございました。(拍手) 33: ◯建築局長(成田清康君) 本県の空き家対策についてお尋ねをいただきました。  二〇一五年に施行された空家等対策特別措置法は、空き家対策の主体は市町村とし、県の役割は、市町村に対する情報の提供、技術的な助言、市町村相互間の連絡調整に努めることを定めております。  そこで、本県におきましては、法施行以前から県及び市町村により設置した市町村空き家対策担当者連絡会議を活用し、参考となる事例の情報共有や市町村の連携を促してまいりました。  また、二〇一四年度には空き家相談マニュアル、二〇一六年度には空き家バンクの物件登録等に関するガイドライン、さらに、二〇一七年度には空家等対策計画の作成に関するガイドラインを取りまとめるとともに、県職員が市町村に出向いて空家等対策計画策定に参画するなど、様々な支援を行ってまいりました。  加えて、二〇一七年度には愛知県空家等対策推進事業費補助金制度を創設し、住宅の除却費補助等の財政上の支援を行っております。  こうした取組の結果、空家等対策計画を策定した市町村は四十六、民間事業者等と連携して進める協議会を設置した市町村は四十一、相談窓口を設置した市町村は四十八、空き家バンクを設置した市町村は四十四、さらに県の補助制度活用実績は昨年度末までの四年間の累計で五百八十八件に達しているところでございます。  今後につきましては、市町村に対し、これまでに得られた知見や明らかとなった課題を踏まえた情報提供や技術的な助言を行ってまいります。  あわせまして、引き続き補助制度による財政上の支援を進めるとともに、市町村及び関係団体等との連携、協働を一層推進し、法的な整理が必要なものは国へ働きかけるなど、適正な管理が行われていない空き家への対策にしっかりと取り組んでまいります。 34: ◯観光コンベンション局長武田光弘君) あいち観光戦略の計画期間の中間点となる新年度に力点を置いて取り組んでいく施策についてお答えいたします。  現行のあいち観光戦略では、観光関連産業の振興を目的とし、量としての観光入込客数の増加と質としての一人当たり観光消費額の向上を図り、観光消費額の総額を拡大していくことを目標として掲げております。  この目標を踏まえ、新年度は、十一月のジブリパーク開園や、二〇二三年放送の大河ドラマ、どうする家康の活用に力点を置き、観光需要を拡大し、消費額の増加を図る取組を推進していくこととしております。  具体的には、スタジオジブリが制作した観光動画「風になって、遊ぼう。」を活用したPR、プロモーションや、ジブリパークの来場者に対し、デジタルを活用して的確に情報発信を行うシステムの構築、運用などにより観光誘客の拡大を図ってまいります。  また、大河ドラマ、どうする家康の放送に合わせ、武将観光に関するインフォメーションセンターをJR名古屋駅に設置するとともに、交通事業者と連携した武将ゆかりの史跡等を巡る周遊キャンペーンなどを実施して、大河ドラマの集客効果を広く県内に普及させてまいります。  こうした取組により、愛知ならではの観光の魅力を効果的に発信し、多くの旅行者を呼び込み、県内での宿泊や周遊観光に導いていくことで、あいち観光戦略の目標である観光消費額の拡大につなげてまいります。 35: ◯知事大村秀章君) 久野哲生議員の質問のうち、私からは、あいち観光戦略に基づいて、新年度に力点を置いて取り組んでいく施策についてお答えをいたします。  新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による旅行需要の大幅な減少や急速に進むデジタル化、人口減少による国内市場の縮小など、観光を取り巻く環境はさらに厳しさを増しております。この点については、久野議員の御指摘のとおりでございます。  そうした中で、あいち観光戦略では、こうした状況を踏まえ、歴史、自然、文化など本県独自の魅力を磨き上げて付加価値を高めつつ、効果的なPR、プロモーション等を行い、観光の競争力を強化していくことを取組の方向として掲げております。  今年十一月のジブリパーク開園や、二〇二三年の大河ドラマ、どうする家康の放送は、愛知への注目度を高め、地域のブランド力を強化するとともに、その魅力と発信力を生かして観光をさらに盛り上げていく絶好の機会となると考えます。  この追い風を最大限に活用して、あいち観光戦略に沿って着実に取組を推進していくことで、本県の観光を成長に導き、大きく飛躍をさせていきたいと考えております。 36: ◯副議長(近藤裕人君) 進行いたします。  市川英男議員。
        〔五十二番市川英男君登壇〕(拍手) 37: ◯五十二番(市川英男君) それでは、通告に従いまして順次質問をしてまいります。  まず初めに、オレンジタウン構想について、二点お伺いいたします。  一点目は、認知症地域支援推進員の資質向上についてであります。  高齢化の急速な進行に伴い、認知症高齢者も急増し、全国で二〇四〇年には最大で約九百五十三万人、実に六十五歳以上の高齢者の四人に一人が認知症になると見込まれております。  もはや認知症は他人事ではなく、自分や家族、周囲の人など、誰もがなり得る身近な疾病であり、一人でも多くの県民の皆様に認知症に関する正しい知識を持っていただくとともに、認知症予防や認知症の方とその御家族への支援の取組に積極的に参画していただくことが必要であります。  こうした中、県では、二〇二〇年十二月にあいちオレンジタウン構想第二期アクションプランを策定し、先進的、重点的な取組を進めているところですが、認知症施策を推進していく上では、地域に暮らす様々な人々と共に地域づくりを進めていくことが重要であります。  この地域づくりを進めるには、認知症は誰もがなり得る可能性があり、介護者として関わる可能性もある身近なものとして考えていただけるよう、認知症に対する県民の理解向上を図っていくことが大切であります。  また、医療や介護はもちろん、地域住民や企業等を含む多様な主体が連携、協働し、認知症の方や御家族に寄り添いながら支えていくことが不可欠であり、こうした地域における様々な支援者のネットワークを構築するに当たり、その要となる役割を期待されているのが、市町村が設置している認知症地域支援推進員であります。  その役割は、ほかにも不安や悩みを抱えた本人や御家族からの相談への対応や認知症カフェをはじめとする事業の企画や運営に携わるなど多岐にわたっており、推進員にはそれぞれの地域で認知症支援の中核的存在として活躍していただくことが求められています。  このため、第二期アクションプランの中でも、七つの柱の一つとして地域人材の活用を掲げ、認知症地域支援推進員の活動を支援、強化することとされています。  昨年四月現在、県内では推進員として三百三名の方々が活動しており、五十四市町村全てで配置されています。その多くが地域包括支援センターの職員が兼務して配置されていることから大変忙しく、推進員固有の研修の参加に十分な時間が割けない、ノウハウの蓄積が難しいなどといった課題があるともお聞きしております。  認知症地域支援推進員がその役割を十分に発揮していただくためには、活動に当たって必要となる知識の習得はもちろん、自治体の枠を超えて取組や課題を共有し、地域の実情に応じた活動を展開できるよう、推進員の資質の向上を図っていくことが何よりも重要であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  県では、認知症地域支援推進員の資質向上をどのように図っているのかお伺いいたします。  二点目に、企業における認知症の方への支援の取組についてであります。  多くの方々が、認知症になってもこれまでどおり地域で自分らしく暮らしていきたいと考えてみえるのではないでしょうか。  しかし、認知症の方やその御家族からは、外出先で道に迷ったり、電車やバスの乗り方が分からなくなる、買物の際にレジで時間がかかってしまうなど、これまでできていたことが難しくなり、日常生活の様々な場面で困り事が増えたという声をお聞きします。こうした困り事に対しては、適切な言葉がけや分かりやすい案内表示など、周囲のちょっとした配慮や工夫でスムーズに対応できることも多々あります。  中でも、買物や移動をはじめ、日常生活全般に関わる企業には、認知症への理解や適切な対応だけでなく、認知症の方にとって使いやすい物やサービスの提供といった観点からも、認知症の方が安心して生活できる地域づくりに向けて期待される役割は大きいと思います。  これまでにも企業における取組は進められており、現在、多くの民間企業等で、その従業員等を対象に認知症サポーターが養成されています。  この認知症サポーターには、認知症を正しく理解し、できる範囲で手助けすることが期待されていますが、民間企業など職域で養成された認知症サポーターは二〇二一年十二月時点で全国七十万八千八百五十四人に上り、多くの企業に認知症の方や御家族への応援者が在籍していることは大変に心強いことだと思います。  また、認知症サポーターのさらなる活躍の場であるチームオレンジでは、身近な店舗や事業所等とも連携しながら、見守りや声かけなど、認知症の方を地域で支える取組が進められています。  本県においても、二〇一七年のあいちオレンジタウン構想の策定以降、企業と連携した本県独自の取組が推進されてきました。  その取組を紹介しますと、あいち認知症パートナー宣言では、認知症に理解の深いまちづくりにじぶんごととして取り組む企業や大学にパートナー企業、大学として登録をしていただいており、現在、四十九社、十八校で認知症サポーターの養成などに取り組んでいただいています。  また、認知症の人にやさしい企業サポーターの養成の取組では、小売業、交通機関、金融機関等の職員向けに、ふだんの業務の中でさりげなく支援していただけるよう、本県が独自に開発した実践型の研修プログラムを活用し、企業において研修会を開催していただいています。  できることからはじめの一歩をという構想のスローガンを踏まえ、ワンアクション研修として、これまで百九十六事業所で二千三百七十二人という多くの方々に受講いただいているところであります。  こうした取組は、認知症の方と関わる機会が多い企業やそこで働く人々に認知症の理解や適切な対応を促していくものであり、大変によい取組でありますので、県には引き続き企業への働きかけを進めていただきたいと思います。そして、企業との連携は第二期アクションプランでも重要なテーマでもあります。企業における主体的な取組がさらに一歩進むよう促していくことが大切であります。  例えば、東北地方のあるスーパーでは、認知症の来店客への適切な言葉がけといった支援から一歩踏み込み、決まった曜日、時間にお店が認知症の方のための優先レジを設置し、後ろからせかされることなく支払いができるようにする取組が始まっています。スローショッピングと呼ばれるこの取組は、その企画段階から、スーパーの運営会社だけでなく、地元行政、福祉や医療の関係団体、認知症の人と家族の会などが連携して進められており、まさに地域で認知症の方を支えていく地域づくりの一環であるとも言えます。  同時に、スーパーにとっては単に地域貢献にとどまらず、高齢化社会の中で増加する顧客層のニーズに的確に対応していく必要があるという企業としての課題認識もあったようです。  今後、認知症高齢者の大幅な増加に伴い、地域が一体となって認知症の方や御家族を支えていくことが一層重要となってまいります。誰一人取り残さない、よりよい社会を目指すというSDGsや、企業が本業を通して社会課題の解決を目指すというCSV──これは共有価値の創造という意味です──の観点からも、企業にはこのように、認知症の方のニーズを踏まえつつ、新たなサービスを生み出すという一歩進んだ主体的な取組が期待されているのではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。  認知症の方が安心して生活できる地域づくりに向け、企業の主体的な取組を促進するため、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、介護人材確保に向けた介護ロボットとICTの活用についてお伺いいたします。  我が国の総人口が減少している中で、高齢者、特に後期高齢者である七十五歳以上を占める割合は今後ますます増加していきます。  二〇二一年三月に県が策定した第八期愛知県高齢者福祉保健医療計画では、高齢者の将来計画の中で、全国と比較して高齢者人口割合は低いものの、七十五歳以上の人口割合では、二〇一五年の一〇・八%から、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には一五・七%、さらに二〇四〇年には一七・一%と、今後大幅に増加することが見込まれております。  一方、十五歳から六十四歳までの生産年齢人口では、二〇一五年が六二・五%であったものが二〇四〇年には五六・五%となり、高齢者を支える世代が減少していくことが見込まれております。  介護を取り巻く状況は大変厳しいものがあります。既に介護現場においては慢性的な介護人材不足の状況にありますが、本県においても、二〇二五年には約一万三千人の介護人材不足が見込まれ、さらに二〇四〇年には約三万四千人の不足が見込まれております。  二〇二一年十二月分の国の雇用情勢を見てみますと、愛知県の全産業の平均有効求人倍率は一・二一であります。しかし、介護人材の有効求人倍率は四・五八と三倍以上の開きがあり、こういった数字からも介護人材を確保する難しさが表れているのではないでしょうか。  介護現場はよく3Kの仕事と言われますが、これは、きつい、汚い、危険の頭文字を言われているものであり、最近ではインターネット上において、給料が安い、臭い、休憩が取れない、暗い、結婚ができないなども加わって8Kと揶揄されていることさえあり、大変暗いイメージを語られているケースも散見されております。  若い世代が介護職に対して関心が薄いと言われる要因の一つは、このようなイメージによって将来の職業として介護職を目指すことを敬遠しているのではないかと心配しているところであります。  将来にわたって若い世代に介護の仕事に魅力を感じてもらい、介護の仕事に就いていただくためには、アナログ的できつい介護のイメージを払拭し、最新技術を導入した、心身ともに負担が少ない職場環境の整備を進めていくことは非常に重要であると思います。  そこで、環境改善の方策として注目を集めているものに介護ロボットとICT機器の活用があります。  これまでの高齢者施設で使われている入浴支援のロボットは一台百万円を超える高額な機器であり、AI技術を活用した最新の介護・高齢者コミュニケーションロボットにおいても一体三十万円を超えるものであります。  また、介護職員が介護に集中できない要因の一つとして、介護の内容や多職種と連携した内容を記録するなどの事務的作業も多い環境であり、現在でもこれらの作業を紙媒体によるアナログ的な事務で行っている事業所も多くあります。  若い世代の方々は日常的にタブレットなどのICT機器を活用してコミュニケーションを図っている方も多く、仕事においてもICT機器の活用は当たり前の時代となっております。  しかし、介護ロボットやタブレットの活用などのICT機器は高額で維持費用もかかることから、収益の少ない介護事業所が独自で導入していくことは難しい現実があります。  そうした中、介護ロボットやICT機器を活用した介護現場の環境改善に向けた国の取組として、二〇一九年六月に閣議決定された未来投資戦略二〇一八において、最先端のロボット技術、ICTの実用化と介護現場での活用を加速させる方針が示され、いわゆる団塊ジュニア世代が高齢者となる二〇四〇年を見据え、ロボット・センサー、AI技術等の開発・導入を新たに講ずべき具体的施策に位置づけました。  さらに、同年十月には厚生労働省において二〇四〇年を展望した社会保障・働き方改革本部が設置され、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現を目標として、医療・福祉サービス改革プランの一つに、ロボット・AI・ICT等の実用化推進が政策課題に掲げられたところであります。  高齢者施設や住宅サービスを提供している介護保険事業所において、介護ロボットやICT機器の導入を進めていくことは、介護現場で働いている介護職員の身体的、精神的な負担軽減を図り、将来、介護を担う若い世代に介護職を担っていただくための人材確保の対策として大変に重要であると考えます。  そこでお伺いいたします。  介護事業所における介護ロボットやICT機器の活用を今後とも積極的に進めていく必要があると思いますが、どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。  最後の項目の質問です。  生活道路の交通安全対策として、ゾーン30プラスの推進についてお伺いいたします。  昨年の本県における交通事故死者数は百十七人と、前年に比べて大きく減少いたしました。統計が残る昭和二十三年以降で最も少ない数になったと承知しております。これは、交通死者数が最も多かった昭和四十四年の九百十二人と比べ、約八分の一まで減少したことになります。約半世紀の間でここまで成果を上げてこられた県民の皆様の御協力や関係機関、団体の皆様の真摯な取組、活動に対し敬意を表し、感謝申し上げたいと存じます。  一方で、交通事故によって依然として百人を超える多くの方々が命を落とされ、また、三万人近い方がけがをされている現状を考えれば、被害に遭う方を一人でも減らす取組を一丸となって引き続き推進していかなければなりません。  ここで、本県における過去五年間の歩行者及び自転車乗車中の方が死傷された交通事故の発生状況を見てみますと、被害者のおよそ四人に一人が幅員五・五メートル未満のいわゆる生活道路で被害に遭われています。  このような道路は構造上速度が出にくいため重大な交通事故はあまり発生しないと思われがちですが、被害者の方が死亡または重傷となった場合に限って見ても、この割合にさほど変化はありません。地域住民の生活に密着し、通学路に指定されている例も多い生活道路において、これだけの方が交通事故の被害に遭っていることは憂慮すべきことであります。  道路の機能という観点から考えれば、自動車交通は主に幹線道路が担い、生活道路では歩行者等が安心して安全に通行できる環境が整備されなければなりません。  この点、国において、令和三年度から七年度までに講ずべき交通安全に関する施策の大綱を定めた第十一次交通安全基本計画において、生活道路における交通死亡事故は減少傾向にあるものの、生活道路以外の道路に比べて減少割合が小さいこともあり、生活道路における交通安全や、地域が一体となった交通安全対策の推進が重視すべき視点とされるとともに、講じようとする施策として、生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備が掲げられ、その具体的手法としてハンプ──これは道路の一部を隆起させ、通過する車両に上下の振動を及ぼすことで運転者に減速を促す構造物の総称を言います──や狭窄等の物理的デバイスと組み合わせたゾーン規制の活用等が位置づけられております。  これまで県警察は、生活道路ゾーンの対策として、歩行者等の通行が優先され、通過交通が可能な限り抑制されるという基本的なコンセプトに、地域住民の合意が得られる地区を最高速度三十キロの区域規制等を実施するゾーン30を推進されてきました。  令和二年度末現在で県内二百五十九か所を整備し、あわせて、可搬式速度違反取締装置を活用するなどして各種交通違反の取締りを推進されてきました。  また、道路管理者は、生活道路ゾーン対策や区間対策を実施しようとする区域を生活道路対策エリアとして地方整備局に登録をし、物理的デバイスの設置等の対策を推進してきたものと伺っております。  このような対策は、それぞれが個別に行われたとしても、一定の効果はあるものの、同一区域に行われたほうが相乗効果を発揮すると思われます。しかしながら、これまでの整備状況をお聞きすると、警察と道路管理者の間で調整は図られてきてはおりますが、それぞれの対策区域は必ずしも一致していないとのことであります。  こうした中、令和三年八月に、警察庁と国土交通省が連名で、生活道路の交通安全に係る新たな連携施策としてゾーン30プラスを打ち出しました。  これは、最高速度三十キロの区域規制、つまり従前のゾーン30と物理的デバイスとの適切な組合せにより交通安全の向上を図ろうとする区域を設定し、安全・安心な通行空間のさらなる整備推進を図るものであると聞いております。  ゾーン30プラスであれば、警察の対策と道路管理者の対策がこれまで以上にしっかりとかみ合うことでより一層の相乗効果を発揮できるものと期待できます。  私は先般、静岡県の沼津市に行ってまいりました。沼津市では四つの地区が生活道路対策エリアとして指定されており、その中の一つ、花園町地区内を視察いたしました。このエリアは自治会が二地区存在し、各年度ごとに協議会を設置、自治会長、地域住民等の意見収集、要望等を考慮し、五年間かけてゾーン30プラスを本年二月一日から供用開始したとのことです。  この花園地区は国道一号線に面しており、エリア周辺には高校が立地しております。平成二十九年度から交通安全対策の実施を始めており、路側帯の拡幅、側溝蓋の新設、外側線の設置、交差点のカラー化、さらに横断歩道滞留場の確保のためのラバーポールの設置など、交通安全対策を実施してきた結果、分析区間における車両の割合の変化において、着実に減ってきている傾向や、スピードも低速度の割合が増加、時速三十キロ超過の車両の割合も減少しているデータとなったそうです。  私自身も一時間ほど車でこのエリアを回らせていただきましたが、はっきり申し上げると非常に走りにくいところでありました。しかしながら、こうした人優先の生活道路の安全・安心を考えれば、ドライバーとしてこのような感覚は非常に大事であるとも感じました。  そこでお尋ねいたします。  ゾーン30プラスに期待される効果とはどのようなものなのか、また、ゾーン30プラスを今後どのように推進していかれるのか、警察本部長の所見をお伺いいたします。  あわせて、物理的デバイスの設置は市町村の道路管理者が主体となりますが、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、建設局長の所見もお伺いしたいと存じます。  以上、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 38: ◯福祉局長(岡本範重君) オレンジタウン構想の推進についての御質問のうち、初めに認知症地域支援推進員の資質向上に関する取組についてお答えいたします。  地域における認知症の方や御家族への支援体制を充実させていくためには、医療機関や介護事業所、企業、地域住民などの多様な地域資源の連携が求められており、そのコーディネーターとなる認知症地域支援推進員の果たす役割は大変重要です。  このため、県では二〇一八年度より認知症地域支援推進員やその活動を支援する市町村職員を対象とした研修会を毎年開催し、活動事例の発表や地域課題の解決を目的としたグループワークなどを実施し、資質向上を継続的に図っているところです。  また、本年一月には国立長寿医療研究センターと連携し、推進員等がオンライン上で受講可能な研修システムを新たに創設いたしました。  この研修システムでは、推進員として必要な知識や実践的な活動ノウハウを学ぶ講義のほか、県内外の活動の好事例を紹介するなど、三十項目以上のコンテンツを公開しており、いずれもeラーニングでの受講であるため、業務の合間の時間を活用するなど、効率的な学習が可能となっております。  来年度は、これらのコンテンツの内容を随時更新するとともに、新たに推進員同士が様々な情報や事例を共有できる意見交換のページを開設する予定であり、利用者の意見も踏まえながら研修システムの一層の充実を図ってまいります。  今後もこうした取組により、認知症地域支援推進員のさらなる資質の向上にしっかりと取り組んでまいります。  次に、企業の主体的な取組の促進についてお答えいたします。  日常生活に関わる様々な企業が、買物時に支払いに手間取ってしまうなどといった認知症の方の様々な困り事を率先して把握し、その解決策を自主的に考え、実践していただける環境づくりを進めていく必要があります。  このため、本県では、来年度から企業における認知症の方への支援を推進するための新たな取組に着手することとしております。  具体的には、まず企業を対象とした勉強会を開催し、認知症への理解を深めていただくとともに、認知症の方を支援する取組を検討する際に必要な知識や先進事例を紹介することにより、認知症の方に優しい企業の育成を図ってまいります。  また、企業のさらなる取組を促進するために新たなモデル事業を実施することとしております。この事業では、市町村が認知症の方のニーズを企業につなぎ、市町村、認知症の方、企業の三者が協働しながら認知症の方に優しい新たなサービス等の創出に取り組んでまいります。  こうした取組により、企業における認知症の方を支援するための主体的な取組を促進してまいります。  次に、介護人材確保に向けた介護ロボットとICTの活用推進についてお答えいたします。  高齢化の急速な進展に伴い、今後ますます介護ニーズが高まる中、高齢者と御家族を支える介護人材を確実に確保することが重要であり、本県では、第八期高齢者福祉保健医療計画に基づき介護人材確保対策を総合的に進めているところです。  中でも介護ロボットやICT機器の活用は、介護サービスの質の向上を図りつつ、職員の負担軽減と業務の効率化を進める上で不可欠であることから、介護事業所における介護ロボットやICT機器の導入費用を助成しており、来年度予算は二〇一九年度の約二十倍となる約七億円に大幅に拡充することとしております。  これによりまして、来年度末までの累計で、介護ロボットが四百七十七事業所、ICT機器が千十八事業所で導入される見込みであり、高齢者の移動や入浴の支援など、身体的な負担軽減や介護記録の作成など、事務的な業務の効率化を図ることにより、離職防止と介護職への参入促進に向けた労働環境の改善を進めているところです。  今後とも、介護ロボットやICT機器などの導入支援を着実に進めていくことにより、介護人材の確保にしっかりと取り組んでまいります。 39: ◯警察本部長(國枝治男君) ゾーン30プラスの推進についての御質問にお答えいたします。  道路交通環境の整備における道路管理者との連携の重要性については申し上げるまでもありませんが、ゾーン30プラスとは、警察による最高速度三十キロの区域規制と道路管理者による物理的デバイスの適切な組合せを前提とし、警察と道路管理者が検討段階から協議してこれを整備することにより、設定区域、すなわちゾーンにおける交通安全の向上を図るものであります。  県警察ではこれまで、生活道路におけるゾーン対策として、最高速度三十キロの区域規制に加え、必要に応じて大型通行禁止、一方通行、指定方向外進行禁止等の交通規制の実施や、周辺道路における信号機の改良等による円滑化対策等を講じることで区域内における車両速度及び通過交通の抑制を図ってきたところであります。  ゾーン30プラスでは、こうした対策に車両速度を物理的に低下させる効果がある物理的デバイスを適切に組み合わせることとなるため、最高速度規制の実効性の向上が見込まれるなど、ゾーン対策が一層効果的になるものと考えております。  ゾーン30プラスにつきましては、道路管理者と緊密に連携した上で、通学路の指定状況や、高齢者が多く居住する地域等を抽出可能な交通事故分析システムの分析結果等を踏まえ、地域住民等が歩行者等の通行を最優先して車両速度及び通過交通を抑制する対策を要望される区域等に設定し、地域住民等の合意形成を図りながら、実効性のある交通安全対策を推進してまいります。 40: ◯建設局長(道浦真君) ゾーン30プラスにおける県としての取組についてであります。  物理的デバイスは、車両の速度を物理的に低下させる効果があり、県内では七つの市町において既存のゾーン30区域及び生活道路対策エリア内で設置されております。  一方で、設置箇所付近の住民の方々にとっても設置前と比べ走行しにくくなることや、また、ハンプにおいては走行時に音や振動が発生するといったデメリットもあり、設置が進まない現状があります。  このことから、未設置の市町村に物理的デバイスへの理解を深めていただいた上で、地域住民との合意形成を図っていく必要があります。
     そのため、設置済み市町の整備前後の効果検証結果や、音や振動の感じ方等に関する住民アンケート調査結果を分析し提供することで、未設置の市町村に普及啓発を図ってまいります。  今後、市町村と警察署によるゾーン30プラスの整備計画策定が円滑に進むよう、国と連携し、効果的な物理的デバイスの種類や設置場所の選定などの策定支援を行うことによりゾーン30プラスの整備促進に努めてまいります。 41: ◯知事大村秀章君) 市川英男議員の質問のうち、オレンジタウン構想の推進について、私からもお答えをいたします。  今後、本県におきましても認知症高齢者の大幅な増加が見込まれておりまして、県民一人一人が認知症をじぶんごととして考え、認知症に理解の深いまちづくりに取り組み、積極的に参画していただくことが大変重要であります。  本県では、二〇二〇年十二月に策定をいたしましたあいちオレンジタウン構想第二期アクションプランに基づいて、認知症の方や御家族の視点を重視しながら、認知症施策の推進に全力で取り組んでいるところであります。  昨年七月には、お二人の方を愛知県認知症希望大使として委嘱をしたところでありまして、今後とも大使のお二人と協働した普及啓発活動を行い、認知症へのより一層の理解促進を図ってまいります。  また、来年度から新たに、企業における認知症の方に優しいサービス等の創出や、新しい生活様式にも対応した認知症カフェの活動の推進を図るため、二つのモデル事業を開始する予定でありまして、こうした取組を通じまして、認知症になっても誰もが安心して生活できる地域づくりを加速化してまいります。  そして、そういう中でさらに、このオレンジタウン構想推進の中核機関であります国立長寿医療研究センターの機能強化を図るため、国と県が協調して、それぞれ十億円の財政支援を行って整備を進めてまいりました国立長寿研の新しい診療棟が今年の五月には開院する運びとなりました。  この国立長寿研は、国、厚労省直轄の六つ目の一番新しいナショナルセンターとして、まだできて二十年ちょっとということでございますが、いかんせん、もともと結核療養病院でありましたので、そこを引き継いでやってきていたので病棟がいかんせん老朽化していたと。外来の診療棟を造るところまでは予算があったんですけど、国のほうが入院病棟を造る予算がなくなったというので、それはどうしようかとも思いましたけれども、この国立長寿研は、初代の総長が名大出身の大島総長、二代目が東大の鳥羽総長、今、三代目が京大出身の荒井総長ということで、老年医学と認知症研究ではまさにオールジャパンで取り組むアジアナンバーワン、世界トップの機関ということでありますし、この入院病棟がいかんせん昭和四十年代初頭のものでありますので、これをそのままというよりも、ここに県が補助、そして国も出して、あとは財政投融資で五十二億円の事業費で造りますけれども、ここを利用している患者さんの九九%が愛知県民ということでもありますので、そういったことを総合的に勘案して、厚労省とも協議をして、そして議会にもお認めいただいて、二〇一九、二〇、二一と三か年事業で今回ようやくこれができるというものでございます。  ですから、外来病棟と、そして、この入院病棟を合わせまして、まさに日本一の老年医学と診療の拠点となるということでありますので、これももっともっと我々、こういうものが愛知にあるんだよということをしっかりPRして、そして、日本の老年医学と認知症研究を治療も含めてさらに前進をさせていきたいと思っております。  ということで、今後とも認知症医療の進展や地域医療への貢献、産学官連携による共同研究のさらなる推進を通して、本県の認知症施策の一層の推進につながることを期待していきたいと思っております。  今後とも、オレンジタウン構想を着実に推進し、認知症の方や御家族が安心して暮らすことのできる社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 42: ◯四十一番(南部文宏君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 43: ◯副議長(近藤裕人君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 44: ◯副議長(近藤裕人君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時五十分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時三十分開議 45: ◯議長坂田憲治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  神谷和利議員。     〔二十三番神谷和利君登壇〕(拍手) 46: ◯二十三番(神谷和利君) 皆様、お疲れさまでございます。  通告に従いまして、私からは大きく二項目について質問をさせていただきます。  質問の第一は、国際的なスポーツイベントを通した地域振興についてであります。  本年二月、北京二〇二二冬季オリンピックが開催され、多くの日本人アスリートが活躍し、過去最高の十八個のメダルを獲得したことは記憶に新しいところでございます。あした、開会式を迎えます冬季パラリンピックについても、大いに活躍が期待されるところでございます。  振り返れば、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延によりまして、二〇二〇年の開催を断念、昨年、二〇二一年にようやく開催にこぎ着けたけれども、無観客での開催でございました。北京の冬季オリンピックについても無観客開催でございます。  当初、東京オリンピック・パラリンピックは、日本の技術力を世界にアピールするためのビジネスショーケースとしてまたとない機会であったはずであります。  多くの企業が訪日観光客が見込まれる二〇二〇年を見据えて、最先端技術の開発に取り組んでまいりましたが、例えば、自動運転、水素エネルギー、リニア新幹線など、しかし、企業は技術力を世界にアピールする機会を逸したのであります。  訪日外国人旅行者数、二〇二〇年、四千万人、二〇三〇年、六千万人を掲げていた我が国の観光戦略においても当てが外れましたが、アフターコロナを見据え、もう一度海外誘客の流れを再構築する必要があります。  このような中で、本県で二〇二六年に開催される第二十回アジア競技大会は、当てが外れた東京オリンピック・パラリンピックをリベンジする、またとない機会であると思います。  特にアジア、ASEAN地域の国々は、モノづくりメーカーが集積する本県にとっては、工場進出が多い地域で、その国々とより深い相互理解は本県産業にとっても非常に有益であります。  二〇一九年、県は第二十回アジア競技大会をスポーツ振興や観光振興などにつなげるため、本県として取り組むべき地域活性化の方向性や、実施が想定される取組について取りまとめたアジア競技大会を活用した地域活性化ビジョンを策定いたしました。  その中で、地域活性化に向けた四つの視点を掲げております。その一つがアジアと強くつながるという視点であります。アジア最大のスポーツの祭典であるアジア競技大会が愛知で開催される機会を生かし、成長著しいアジア各国、地域との経済、文化、友好等の交流活動を積極的に展開することにより、つながりをより一層強いものとしていきますとあります。  また、地域活性化のための基本施策として四つの目標を掲げております。その一つがアジアにおける愛知の産業の存在感を強めるという目標であり、次世代自動車、航空機などに代表される愛知のモノづくりを先端技術や地場産業、農林水産物等をアジアに向けて強くアピールすることにより、アジアと愛知の関係性を深化させ、アジアにおける愛知の産業の存在感を強めていきますとあります。  このようなことから、二〇二六年第二十回アジア競技大会は、愛知・名古屋だけの地域イベントではなく、日本全体で成功に向けた取組が必要であり、そのために国としっかり連携していく必要があります。  また、東京オリンピック・パラリンピックではできなかった日本の底力を示すまたとない機会として、技術力のある多くの企業との連携も不可欠であります。  そこで質問します。  二〇二六年アジア競技大会の成功に向けて、国や企業との連携はどうなっているのか、お尋ねいたします。  二〇二六年第二十回アジア競技大会につなげる本県における国際的なスポーツイベントとして、ラリージャパンがあります。ラリージャパンとは、自動車競技ラリーの最高峰で、国際自動車連盟が統括する世界ラリー選手権日本ラウンドのことであります。  ラリージャパンにつきましては、私は、令和元年六月定例会、令和二年二月定例会においても質問をさせていただきました。少し経過を振り返ります。  二〇〇四年から北海道で開催されたラリージャパンは、二〇一〇年で中断され、それ以降、世界ラリー選手権日本ラウンドは開催されていませんでした。しかし、二〇一七年にトヨタ自動車が世界ラリー選手権に復帰し、再び関心度が高まる中で、トヨタ自動車の地元であり、全日本ラリー選手権の新城ラリーを開催してきた中部地方でラリージャパンを復活させようという機運が高まってまいりました。  二〇一八年一月に招致委員会が発足し、トヨタ・モータースポーツ・クラブを主催団体、株式会社サンズを運営母体として招致活動を展開、世界ラリー選手権プロモーターと契約し、二〇一九年開催は当確と言われながら、国際自動車連盟総会でまさかの落選を喫しましたが、翌年の再挑戦を経て二〇二〇年の開催が決定され、二〇二二年まで三か年の開催契約を結んだわけであります。  開催が決定した二〇二〇年は、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)に大会本部とサービスパークを置き、愛知県、名古屋市、岡崎市、豊田市、新城市、長久手市、設楽町と岐阜県中津川市、恵那市の山間部で開催される予定でありましたが、御存じのとおり新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により開催はキャンセルされました。二〇二一年についても残念ながら同様にキャンセルされたわけでございます。  しかし、二〇一九年にテストイベントとして開催されたセントラルラリーは、内容を変えながら二〇二〇年、二〇二一年も開催され、地元市民にも歓迎されております。そのほかにも豊田市では、ラリージャパンに向けて、二〇一八年よりトヨタ・ガズー・レーシング・ラリーチャレンジ、二〇一九年よりシロキヤラリーが開催され、二〇二一年十月にはラリーをテーマに豊田市を舞台にした映画、僕と彼女とラリーとが公開されました。  二〇二一年十一月一三日、ラリージャパン事務局は、フォーラムエイト・セントラルラリー二〇二一が開催されている豊田スタジアムのラリージャパンブース前特設ステージにて、翌年の世界ラリー選手権フォーラムエイト・ラリージャパン二〇二二開催概要の発表を行いました。それによりますと、フォーラムエイト・ラリージャパン二〇二二は、二〇二二年十一月十日から十三日に開催され、大会の舞台となる愛知県岡崎市、豊田市、新城市、設楽町、岐阜県恵那市、中津川市の二県六市町に競技エリア、スペシャルステージが設定され、サービスパーク、ヘッドクオーター、メディアセンターは豊田スタジアムに置くというようなことが説明されました。この発表会には、主催者ほか、愛知、岐阜両県知事、開催地市長も加わり、フォーラムエイト・ラリージャパン二〇二二の成功を出席者全員で誓い合ったとのことでございます。  大村知事は、愛知県は世界一の自動車産業の集積地であり、自動車文化、モータースポーツの中心、聖地になっていくことが必要である、その使命が愛知県にある、このラリージャパンを機に、さらにモータースポーツを広げていけるよう、しっかりと頑張っていきたいとコメントされました。愛知県をモータースポーツの聖地にという言葉どおり、本年三月に開催される全日本ラリー選手権第一戦新城ラリー二〇二二のPRとして、一月三十日、愛知県庁前に集合した十台のラリーカーが名古屋市中心部をパレード走行し、多くの県民の注目を集めたと聞いております。  さて、現在の日本での主催者が国際自動車連盟に契約した世界ラリー選手権の開催契約は今年、二〇二二年で切れてしまいます。二〇二三年以降のラリージャパンはどうなるのか、実はまだ正式には決まっておりません。  そこで、豊田市は、二〇二三年から二五年の三年間に世界ラリー選手権を開催する準備を進めるため、昨年十二月の市議会定例会に補正予算案を提出し、市議会の審議を経て補正予算、債務負担行為が承認されました。債務負担行為の額は十二億八千七百万円に為替変動を伴う増減額を加算した額とし、補正理由は、ラリーをまちづくりに生かすため、世界ラリー選手権の継続的な開催が必要であると考えており、開催を継続するには豊田市が運営主体となり、経費の一部の支払いを約束する必要があるためとしております。豊田市長は、世界ラリー選手権については、本市としては単なる興行イベントとしては捉えていない、山間地の振興、交通安全の推進、自動車産業の振興といった極めて公益性の高いスポーツイベントとして捉えている、豊田市が主催する意義はそういったところにあると考えているとコメントされました。財源の一部は地方創生推進交付金、企業版ふるさと納税を活用する見込みで、現在、日本自動車連盟に世界ラリー選手権開催の申請を行うなど、招致に向けての手続を行っているとのことでございます。  二〇二三年以降の開催招致のためにも、今年十一月開催のフォーラムエイト・ラリージャパン二〇二二の成功に向けて県民の機運を盛り上げていかなくてはなりません。モータースポーツは社会性、公益性との共存が求められます。特にラリーは地域の協力がなければ競技ができません。第一段階は理解していただく、第二段階は一緒にやっていただくことだと思っております。  そこでお尋ねいたします。  フォーラムエイト・ラリージャパン二〇二二の成功に向けて、愛知県はどのように関わっていくのか、お伺いをさせていただきます。  質問の第二は、若者の職場定着支援についてであります。  先日、私は、県が主催した若者が定着する魅力ある職場づくりをテーマに開催された若者職場定着支援シンポジウムに参加いたしました。  シンポジウムでは、幸せ起点の強い組織のつくり方、社員一人一人と企業が共に成長できる組織づくりをテーマとした基調講演と中小企業二社による若者の職場定着の取組の事例発表などが行われました。  コロナ禍ということで、会場とオンラインによるハイブリッドでの運営となっておりましたが、会場のみならず、オンライン参加の企業経営者や人事担当者からも積極的な質問が出るなど、若者の職場定着という課題に対する企業の関心の高さを改めて感じました。  若者が学校を出た後、初めて就職した職場に定着することができず、早期に辞めてしまうという問題は、かつては七五三現象と称され、就職して三年以内に、中卒の七割、高卒の五割、大卒の三割、七五三が離職すると言われるなど、長年にわたり雇用における課題となっております。  直近のデータでは、全国の就職後三年以内の離職率は、中卒が五五%、高卒が三六・九%、大卒が三一・二%となっており、中卒や高卒においては一定の改善が見られるものの、依然として相当程度の若者が早い段階で職場を去っていくというのが現状であります。  また、若者が初めて勤務した会社を辞めた主な理由は、第一位が労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったで、第二位が人間関係がよくなかったとなっております。キャリアアップにつながる前向きな理由で転職した方もいらっしゃると思いますけれども、不本意な早期離職は若者にとっても企業にとってもデメリットが多くなっています。  早期離職のデメリットといたしましては、若者にとって、一旦仕事を辞めてしまうと、正社員として再就職することが困難になることや、やむを得ず非正規労働者となった場合、収入が不安定で将来設計が立てにくくなることなどが挙げられます。さらに、入社からの数年はその後の長い職業生活の中で必要とされる基礎的な職業能力を仕事を通して身につけるための大切な時期であるにもかかわらず、そうした機会を失うことになってしまいます。  一方、企業側の問題としては、次世代を担うはずだった優秀な若手社員が早期に離職することは、それまでに費やした採用コストや育成コストが無駄になってしまいます。  また、離職率の高さは、企業の評価、イメージを下げることにもつながり、採用活動に悪影響を及ぼします。そして、必要な人材を補充できなければ、離職者が担当していた仕事を割り振られたほかの社員の負担が増し、職場環境が悪くなっていくという悪循環に陥りがちとなります。  こうした負のスパイラルを断つためにも、若者の早期離職を防止し、職場定着を促進するには、各企業が離職の理由や原因を十分把握し理解した上で、企業の実態に即した対策を考える必要がありますが、中小企業においては、実際、どのような方法が効果的で、どのように実施すべきなのか悩んでいるとの声が聞かれます。  また、このシンポジウムに先立って二〇二一年九月に開催された若者職場定着サポーター養成支援講座の豊田市の会場にも参加させていただきました。  若者職場定着サポーター養成支援講座では、県内企業の経営者、人事労務担当者、若者の教育担当者などを対象に新型コロナウイルスの影響の中で急速に変わりつつある働き方や、若者が主体的に能力を発揮する活力ある職場づくりのポイントを身近な事例を交えての講演や、若者は何に共鳴し、職場の上司、先輩をサポーターとして信頼していくのか、世代を離れた若者が心を開き、本音で語り合ってもらえるサポーターであるためのコミュニケーションのポイントなどを解説する講演がありました。  県では、二〇一六年から若者の職場定着支援に関する事業を展開していると聞いております。  私は、県議会議員となった二〇一九年度初めて配属された常任委員会が経済労働委員会であり、若者の職場定着支援事業の受託業者が地元豊田市であったため、その年に刈谷市で開催された若者職場定着サポーター養成支援講座、名古屋市で開催された若手社員向けオリエンテーリング・セミナーにも参加させていただきました。二〇二〇年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により事業は中止となってしまいましたが、二〇二一年度はさきに述べたように、十分な感染対策をした上で再開することができたわけであります。  県の若者職場定着支援事業に参加して感じたことは、若者の早期離職の原因の多くは、労働条件や人間関係などの職場環境にあり、それを改善するには、企業側が働き方改革を進めなければならないということであります。  大企業は管理者や人事担当者を対象とした研修等により若者が定着するような魅力ある職場づくりの取組を進め、働き方改革も自社で進めることができるでしょう。しかし、県内企業の九九・七%、常用雇用者の六六・五%を占める中小企業は、研修を受けることさえ単独では難しく、その意味で県が開催してきた若者職場定着支援事業は大変意義があるものであると思います。しかし、業種業態、事業規模も様々であり、二十万八千社を超える数の中小企業全てに御参加いただくことは不可能であります。また、中小企業の一つ一つに、その企業なりの働き方改革があるはずです。そして、経営トップの意識改革なくして、企業の働き方改革は実現いたしません。  そこでお尋ねします。  県が若者職場定着支援事業を展開して五か年が経過いたしましたが、今後、若者の職場定着に向けて、県はどのように取り組んでいくのか、お伺いをさせていただきます。  以上で壇上における質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 47: ◯スポーツ局長(芦沢典幸君) 初めに、アジア競技大会の成功に向けた国や企業との連携についてお答えします。  二〇二六年のアジア競技大会を日本中が盛り上がる大会として成功させるためには、国との連携の強化が欠かせません。そのため、二〇一八年九月には大会の運営に当たる組織委員会に対して、政府が協力する旨の閣議了解をいただいております。  また、二〇二〇年十一月には超党派の国会議員連盟も設立され、大会の準備を進める上で力強い支援をいただいております。  さらに、二〇二一年四月からはスポーツ庁へ県の職員を派遣し、国際競技大会の開催やスポーツを通じた国際交流の業務を経験させておりますが、今後は国からも職員を派遣していただき、国とのより緊密なネットワークづくりを進めてまいりたいと考えております。  また、アジア競技大会は、地元企業にとってアジアにおける存在感を示す絶好の機会となります。そのため、昨年十二月に、県、名古屋市、組織委員会及び名古屋商工会議所、中部経済連合会、中部経済同友会といった経済界の実務担当者で構成するアジア競技大会を活用した地域経済振興等に関する検討会を設置しました。この検討会では、東京オリンピック・パラリンピックにおける経済界や企業の取組事例について情報共有するとともに、アジア競技大会というビジネスチャンスを地元企業の発展にどう生かしていくかなどについての検討を開始したところです。  今後は、アジア競技大会の開催を最大限に生かして、本県の産業技術の先進性や品質の高さをアジア全域に浸透させていくことができるよう、検討会における議論をさらに深めながら、企業ともしっかり連携してまいりたいと考えております。  次に、ラリージャパンの成功に向けた本県の関わりについてお答えします。  本県では、主催者の株式会社サンズや岐阜県などと実行委員会を設立し、大会が円滑に開催されるよう、関係者と調整を進めております。とりわけコースとなる地域の皆様の御理解、御協力が大切でありますので、関係市町である岡崎市、豊田市、新城市、設楽町とも連携して、主催者による地元調整に協力するとともに、協議が安全に行われるよう、国や警察、道路管理者等と主催者との調整を支援しております。  また、ラリージャパンの開催に当たっては、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策が大きな課題となっておりますので、選手、関係者や観戦客にとって安全・安心な大会となるよう、主催者が実施する感染防止対策に全面的に協力してまいります。特に、大会の開催には、海外から選手やチームスタッフなど約四百人の入国が必要となりますので、海外選手等の入国に関する国等との調整を支援してまいります。  また、大会の成功に向けては、開催機運の醸成を図るとともに、本県を訪れる多くの観戦客を県内各地への観光に誘導するなど、大会の効果をしっかりと地域の振興につなげていく必要があります。本県としましては、大会の広報・PR活動や関連イベントなどの実施、メイン会場でのブース出展などにより、大会を盛り上げてまいります。さらに、国内外からの観戦客を中部国際空港や名古屋駅などで歓迎装飾によりお出迎えするとともに、本県の歴史、産業、自然、食文化などの観光を楽しんでいただける情報も掲載した観戦ガイドブックを作成するなど、地域全体の活性化につながるよう取り組んでまいります。 48: ◯労働局長(橋本礼子君) 若者の職場定着に向けた取組についてお答えいたします。  新規学卒者等の早期離職率は依然として高く、若者の職場定着はかねてより雇用における重要な課題となっております。  また、二〇一五年には勤労青少年福祉法を一部改正した若者雇用促進法が施行されるなど、事業主は職場への定着を図るための措置等を講じ、若者がその能力を有効に発揮できる環境整備、働き方改革の積極的な推進が求められることとなりました。  しかし、多くの中小企業におきましては、働きやすい職場環境づくり、労働条件の整備、人材育成などの課題を自ら解決して、働き方改革を着実に進めていくには、資金面のみならず、人材、知識、ノウハウが不足していると指摘されております。  そこで、県といたしましては、二〇一六年度から若者の指導、相談に対応できる人材、若者職場定着サポーターを養成するセミナーの開催、若者の職場定着に取り組む中小企業へのアドバイザー派遣、若者の職場定着のための取組や好事例を紹介するシンポジウムの開催など、中小企業の皆様が若者の職場定着に積極的に取り組むことができるよう支援をしてきたところであります。  来年度は、中小企業が自社に合った取組を考える際の参考としていただくため、様々な業種、規模の中小企業にヒアリングを行い、優良事例集として取りまとめるほか、情報発信を充実する予定であります。  また、若者の職場定着を今後進めたい中小企業と既に実績を上げている中小企業とが交流できる場を設けたセミナーも開催し、課題や成果を共有していただくことで、取組のきっかけづくり、一層の充実を働きかけてまいります。  さらに、若者の早期離職の要因として、職場における人間関係が挙げられるなど、心のケアも重要なことから、若手従業員などのメンタルヘルス対策に取り組む企業に対して、セミナーの開催や専門家の派遣による助言を行ってまいります。今後ともこうした取組を通じ、企業における若者の職場定着をしっかりと支援してまいります。 49: ◯知事大村秀章君) 神谷和利議員の質問のうち、私からもラリージャパンについてお答えをしたいと思います。  その前に、今日の新型コロナウイルス感染症の陽性者数が確定しましたので、ここで御報告させていただきます。  本日三月三日木曜日、愛知県全体で四千八百八人ということでございます。木曜日は週半ばで検査検体数が比較的多い曜日でありますが、一週間前が四千三百七十五なので四百強増えてしまいました。先週はその前の日の二十三日が休みだったので、最近やはり検査数が多いので、一、二日ちょっと後ずれしているので、そういうのがありましてもやはり減っていないということ、増えてしまったということは厳しいことだと思います。  ただ、二週間前、三週間前は六千人台、四週間前も六千人近いということでありますから、傾向的にはやっぱり減少局面ではあると思いますが、ただ、増えてしまったということでありまして、今日も四千八百八ということで五千人近い状況です。内訳は県所管の保健所分が二千五百五十六、名古屋市、千二百四十五、豊橋、百七十四、岡崎、百九十七、一宮、三百六十五、一宮が昨日も三百八十九なのでちょっと多いかなという感がありますが、豊田が二百七十一で四千八百八ということでございます。ということからしても、もともと名古屋が四割近い状況だったのが、今日では四分の一ですので、やはり県内全域に広がっているということが見てとれます。引き続き感染防止体制の徹底を何とぞお願いを申し上げます。よろしくお願いいたします。  それでは、ラリージャパンでございます。  ラリーの最高峰に位置し、歴史と伝統を誇るFIA世界ラリー選手権(WRC)の最終戦となるラリージャパンが二〇一〇年以来十二年ぶりに愛知、岐阜で開催されることを多くの自動車関係者、モータースポーツファンの皆様が待ち望んでおります。WRCに参戦する地元のトヨタ・ガズー・レーシングは昨年、チームとして年間チャンピオンを獲得したほか、本県出身の勝田貴元選手がラリー・ケニアにおいて日本人選手として二十七年ぶりに表彰台に上がるなど、日本におけるWRCの注目度がますます高まっていると感じております。  ラリージャパンは新型コロナウイルス感染症の影響により、二〇二〇年、二〇二一年と二年連続で残念ながら中止ということになってしまいましたが、今年こそは関係者が力を合わせて開催を実現し、国内外から訪れる多くの観戦客を最高のおもてなしでお迎えするとともに、大会を大いに盛り上げていきたいと考えております。
     世界一の自動車産業の集積を誇る愛知県には、日本の自動車文化を世界に発信するとともに、日本全国にモータースポーツを根づかせるという大きなミッションがあります。この点は神谷議員も触れていただいたとおりでございます。この地域が日本を代表するモータースポーツの中心地、さらには聖地となっていけるよう、十一月のラリージャパンの成功に向けて、主催者、岐阜県、関係市町をはじめ、競技関係者とも一体となって全力で取り組み、世界へ大きくアピールをしてまいります。 50: ◯二十三番(神谷和利君) 知事はじめ御答弁ありがとうございました。  ラリージャパンについて少し要望させていただきます。  今、知事がお答えいただきましたとおり、この愛知県をモータースポーツの聖地ということで、まずは、日本での開催が十二年ぶりとなる今年の二〇二二年の大会を主催者や岐阜県と協力して成功させていくことが大切であります。  そして、二〇二三年以降、豊田市が運営主体を担う場合でも継続的に盛り上げていくことが自動車王国愛知にとって重要であると確信しているところでございます。  一自治体が世界ラリー選手権の日本ラウンドの運営主体として立候補することについては、賛否両論、あるいは戸惑いがあることも承知しております。しかし、豊田市が一歩前に出なければ、何も進まず、ラリージャパンは再び断絶してしまうというのも事実であります。県におかれましては、豊田市の取組に対して御支援いただきますよう要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。 51: ◯議長坂田憲治君) 進行いたします。  林文夫議員。     〔十三番林文夫君登壇〕(拍手) 52: ◯十三番(林文夫君) みよし市選出の林文夫です。通告に従い、順次お伺いをさせていただきます。  初めに、子ども食堂について。  子ども食堂については、これまでも各議員の方々から代表質問や一般質問で、また、今議会でも代表質問があり、それだけ地域での存在意義、また必要性が高まってきている活動であることが感じられます。今回は、子ども食堂の開設から継続活動に向けた安定運営及び活動の多様化への支援の観点からお聞きします。  私の住むみよし市では、多世代・子ども食堂として、うきぐも食堂さんが二〇一七年十一月に地域で居場所づくり、出番づくりを掲げて開設をされました。子供から六十歳以上の単身高齢者まで幅広い方々に参加いただいております。スタッフの方々は、地元の皆さんに食堂を利用してもらい、にぎやかな雰囲気で食事を楽しんでもらえたらとの思いで、コロナ前で最大九十三食、コロナ禍ではお弁当配布に切り替え、百九食を限られたメンバーで提供をされております。また、代表の高信さんは、活動を通じて地域での子ども食堂の必要性を強く感じられ、小学校区ごとに多世代・子ども食堂が立ち上がることを願うとともに、立ち上げの応援もしたいとのことでありました。  県内の子ども食堂の推移は、二〇一七年、五十六か所、二〇一八年、九十四か所、二〇一九年、百四十か所、二〇二〇年、百七十五か所、二〇二一年、二百二十四か所と年々増加をしてきており、子どもが輝く未来へのロードマップの目標数値である二〇二二年度、二百か所を上回る件数となっております。  この間、二〇一八年には既存の社会資源を活用した子ども食堂開設モデル事業を十事業所で実施し、二〇一九年度には子ども食堂の取組を県内にさらに広げることを目的に、未設置地域における子ども食堂の設置支援事業として、子ども食堂が未設置の地域に二か所の子ども食堂が開設をされました。そして、令和四年度の当初予算でも子ども食堂の推進費が計上され、今後も推進、支援が行われる予定であります。  そうした中、子ども食堂の運営は個人のボランティアやNPO法人など、善意で運営されており、立ち上げや継続運営の課題も多くあります。  二〇二一年七月に公表されたNPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえが実施した子ども食堂の現状と困り事の第五回アンケート調査、回答数は四十四都道府県で四百四十六件の回答をまとめた結果報告によりますと、設問の最も困っていることでは、必要な人に支援を届けることが三一・二%と最も多く、次いで運営資金不足が一五・九%、感染拡大の不安、感染防止の対策が一二・三%と続き、そのほかには運営スタッフの不足、七%、会場の不足、三・八%、器具、設備の不足、食材の不足がともに一・八%とあります。  また、二〇一八年三月公表の農林水産省が実施した子ども食堂の運営実態についてのアンケート調査結果でも、来てほしい家庭からの参加確保、運営費の確保、運営スタッフの負担の大きさや確保、学校や教育委員会など行政からの協力が得られない、食中毒に不安を感じるなどが大きな課題となっているとのことであります。  三年が経過しても、課題が大きく変わっていない現状が見受けられます。  昨日、豊田市でとよた子ども食堂ネットワークが設立されたとの新聞記事が三日の朝刊にありました。記事によりますと、市内二十八団体を含め、子ども食堂の立ち上げや運営相談、支援、食材などの受付や保管、配分する拠点の運営などを行うということであります。  地域の状況や活動団体により困り事は異なると思いますが、大切なことは善意の県民活動を行政が後方支援することであり、多様化する子ども食堂において目指す在り方や具体的な活動内容に向けた支援の強化が必要と考えます。  そこで、三点についてお尋ねいたします。  一つ目として、開設から継続活動に向けた支援。  コロナ禍にもかかわらず、県内の子ども食堂の数は増加を続けており、子ども食堂を運営する方々は、様々な課題を抱えながらも、また、コロナ禍にあっても、子供たちに温かい食事や安心できる場所を提供したいとの気持ちで、栄養バランスや給食と同じにならないようにメニューを工夫した食事の提供を、感染症対策を万全にして取り組んでいただいております。  今後は、新たな開設とともに、増えてきた既存の子ども食堂の継続に向けた取組も必要であります。新しい子ども食堂を開設するに当たっては、市町村や地域の団体、企業等と連携した会場の確保やスタッフ集め、食材の確保が必要となります。こうした部分の支援に加え、安全で安心して継続運営ができるように、定期的な検便検査費や食中毒などのもしもに備えた保険加入費等の補助支援も必要であると考えます。  加えて、子ども食堂にとって食材の確保は重要であります。これまでも県は子ども食堂の関係者の会議に参加して、食材の安定的な確保に向けた仕組みづくりについて協議をしてきたとのことであります。それとともに、食材流通の仕組みづくりは子ども食堂の安定的な運営に欠かせないと考えます。食堂の増加とともに、食事の提供数は増え、必然的に多くの食材が必要になります。子ども食堂のスタッフが提供を受けた食材を手にするための運搬などの労力も増します。私は子ども食堂が身近で安定的に食材を確保できるよう、食材提供の仕組みに加え、運送事業者の食材の運搬や保管等への協力を得る取組も必要と考えます。  そこで、子ども食堂の開設や運営について、県としてどのように支援をしていくのか、お尋ねをいたします。  二つ目として、子ども食堂から多世代交流の場へ。  子ども食堂は地域の方々に支えられており、ボランティアに来る大学生や食材を提供してくださる高齢者の方々など、様々な方が集う場所にもなっています。核家族化が進む地域社会において、多世代が交流する場として、子ども食堂はその可能性を持っており、子育て世代や高齢者世代など、各世代が抱える課題の解決に向け、世代を超えて助け合う仕組みづくりにつなげていくことが必要と考えます。  目指す姿は、子供を中心とした多世代交流の場、子供の貧困対策と幅広い世代の交流拠点という二本柱を基本とし、子供には家庭でも学校でもない第三の居場所で、親でも教師でもない人と関係を築ける空間と位置づけ、単身世帯など高齢者には居場所とともに、これまでの経験を生かした活躍の場として、また、子育て世代には悩み相談や息抜きの場として、多世代交流によって生み出される効果も発揮することができると考えます。  お聞きいたします。  子ども食堂を多世代交流の場として広げるために、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  三つ目として、必要な人に支援を届けるための連携支援。  子ども食堂は、生活困窮や保護者の就労により家庭において保護者らと共に食事を取ることができない子供のために、多くは月数回ほどの頻度で無償か安価で食事を提供する活動でした。しかし、支援の必要な子供がどこにいて、どうすれば子ども食堂に参加してもらえるのか。また、生活にお困りの世帯の子供のみが対象となるのであれば、参加している子供が徐々に参加しづらくなってしまうことも考えられます。  このようなことから、活動が広がるにつけ、子供の貧困対策というイメージはあるものの、食事だけでなく居場所づくり、さらには学習支援などを併せて行うなど、団体の特徴を生かし、それぞれの地域に適した活動をされているとお伺いしております。  こうした食事の場とともに、多世代の居場所、交流の場としての活動内容を伝えることにより、子ども食堂の裾野を広げ、必要としている方々に気軽に参加していただくことでそれぞれの方々の支援にもつながると考えます。必要なことは、こういった活動の場であることを地域の方々に知っていただくことであります。  そこで、子ども食堂の取組を地域の方々に知ってもらうために、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  次に、地域におけるインフラ整備について。  みよし市は、一九七九年の名鉄豊田線や一九九三年の東名三好インターチェンジの開通に伴い、交通の利便性や好立地条件を背景に自動車関連の大規模工業施設が立地し、また、名鉄黒笹駅や三好ケ丘駅の周辺では、土地区画整理事業によるまちづくりが進み、住宅や商業施設が立地するなど、にぎわいのある市街地が形成されてまいりました。  一方で、市北部には山林地域、南部には農村地域と豊かな自然が残るなど、産業、自然、文化など調和の取れたまちであります。  また、市内最北部にあります長田池を源流とする境川が市内を南北に縦断し、尾張と三河の境界上を流れ、衣浦湾に注がれております。  尾張と三河の境に位置することもあって、豊田市はもちろん、日進市や東郷町など尾張地域とも古くから生活をする上での交流もあります。  まず、境川の堆積土砂のしゅんせつや伐木について。  近年、全国で毎年のように大規模な水害が発生し、甚大な人的被害や経済損失をもたらしています。国土交通省の水害被害額の統計によりますと、二〇一九年度の被害額は、昭和三十六年度の統計開始以来最大の二兆千八百億円とのことであります。  みよし市では、近年は大きな浸水被害は発生していませんが、東海豪雨においては市内で約四十ヘクタールが浸水し、床上浸水四棟、床下浸水五十五棟となりました。このような大規模な水害に対し、現在境川流域では、事前防災対策として、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策などを活用し、河道拡幅などの河川整備を下流から進めていただいております。  一方で、境川の上流に位置するみよし市内では、北部地区の最上流部は川幅が狭い上、堆積土砂に雑木が茂り、流下能力に悪影響を及ぼしており、近年の線状降水帯やゲリラ豪雨などの大雨のときには洪水のおそれが度々見受けられる状況であります。  下流からの整備に時間を要すると思われる中、今年度、河川内の樹木伐採や堆積土砂のしゅんせつが行われております。上流部の現況河川の流下能力を適正に維持するための堆積土砂のしゅんせつや、河道内に繁茂する樹木の伐採は非常に重要であると考えます。  そこで、みよし市内を流れる境川の堆積土砂のしゅんせつや伐木について、取組状況と今後の予定についてお伺いをいたします。  次に、地域の安全・安心を支える道路整備について。  みよし市は三河地域に属していますが、地理的には隣接する日進市や東郷町、さらに、近隣の長久手市や豊明市との結びつきも強く、こうした尾張地域と三河地域にまたがる地域は尾三地区とも呼ばれております。  この尾三地区では、大型ショッピングモールなどが多く立地し、尾三地区における購買需要に応えてきておりますが、二〇二〇年九月にららぽーと愛知東郷が開店し、今では、地域需要に応えるだけでなく、エリア外から多くの方が訪れる地域となっております。この地域にこうした大型商業施設が次々と出店するのは、人口減少社会の中においても、この地域でまだまだ人口が増加しているという背景があると考えられます。  そのような中、地域のポテンシャルをさらに高めるために、日進市と東郷町の境界、愛知池の北に位置する東名高速道路東郷パーキングエリアでは、日進市とNEXCO中日本により、仮称東郷スマートインターチェンジの整備が進められています。スマートインターチェンジの南側には県道米野木莇生線が走っており、県道と接続する箇所は日進市内でありますが、そこから東へ約三百五十メートル先はみよし市であり、この路線がみよし市北部の工業団地や市街地からスマートインターチェンジへの主要なアクセスルートとなります。このスマートインターチェンジの整備により企業活動の活性化や日常生活の利便性向上に寄与することとなり、また、防災面においても、広域物資輸送拠点である中部トラック総合研修センターへのアクセスも強化され、災害時の迅速な物資輸送の確保にも大きく寄与するものであります。  米野木莇生線につきましては、スマートインターチェンジの接続部の前後で改良が行われると伺っております。しかしながら、その改良区間の東の端からみよし市側へ東名高速道路の側道である市道打越黒笹一号線が接続する交差点までは歩道がなく、また、その交差点のすぐ東側には東名高速道路の橋脚が壁状に設置されていることから、見通しが悪い交差点となっており、大変危険な状態であります。スマートインターチェンジの整備により、地域住民や利用される方々の安全・安心の一助となるよう、こうした課題を解決する必要があると考えます。  そこでお聞きいたします。  仮称東郷スマートインターチェンジの整備に向けた県道米野木莇生線の現状の取組状況についてお伺いをいたします。  最後に、地域防災力の強化に向けた消防団加入促進の取組についてお伺いします。  私たちの地域を守る消防団は、火災の発生時や地震、風水害など災害時の活動にとどまらず、平常時にも火災予防の啓発、防災訓練など幅広く活動をしていただいており、地域の防火、防災、減災の中心的な役割を担っていただいております。  そして近年、災害が多様化、大規模化し、この地域においても南海トラフ地震の発生が懸念をされており、地域住民の安心・安全のため、消防団が果たす役割はますます大きくなってきております。  地域防災力の中核である消防団ですが、令和三年十二月に総務省消防庁が公表した調査結果によりますと、昨年四月現在の全国の消防団員数は約八十万人で、三年連続で一万人以上の減少となっています。  愛知県におきましても、消防団員数については同様の傾向にあり、昨年四月現在では二万二千三百六人と、前年から約四百六十人減少し、十年前と比較すると、約千七百人の減少という状況にあります。その背景には、少子・高齢化やサラリーマン層の増加といった社会的要因がありますが、このまま消防団員の減少が続きますと、いずれは大規模災害時の対応にも大きな支障をもたらしかねない憂慮すべき事態であると思います。  みよし市においても、消防団員の確保に苦慮している状況には変わりはありません。私が在籍をしていた当時は、団員の入替えを行う名目で三十歳を定年としていた経緯があります。しかし、現在は、市内在住、在勤、在学で十八歳以上の者とする中、団員数は減少傾向、平均年齢は上昇傾向にあります。  消防団の加入を促進するためには、消防団がどのような活動に取り組んでいるのかをよく知っていただくとともに、地域住民や企業などの消防団に対する理解が必要であります。  このため、令和三年一月からツイッターを活用して消防団への加入を呼びかけたり、今年の二月には、消防団の活動や魅力を紹介する動画を作成し、PRするなど加入促進の取組を進めています。  さらに、全ての消防団活動に携わる基本団員を補完するため、大規模災害時の活動や日頃の広報・指導活動など、特定の活動、役割を担う女性消防団や機能別消防団の導入も効果的であります。  みよし市では、平成八年に県下で初の女性消防団を設置、また、平成二十三年四月に市内の東海学園大学の学生で構成する機能別消防分団を設置しています。他の市町村でも、機能別消防団を設置するなど同様の取組を進めていると聞いておりますが、団員確保に向け、県としてより一層の推進が必要であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  消防団の加入促進や消防団活性化の取組について、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 53: ◯福祉局長(岡本範重君) 子ども食堂に関する御質問のうち、初めに、開設や運営に対する支援についてお答えします。  本県では、子どもが輝く未来基金を活用し、子ども食堂を新規開設する際の改修費や備品の購入費のほか、新型コロナウイルス感染症対策に必要な費用を補助するとともに、子ども食堂の準備から開設までの手順を具体的にまとめた子ども食堂開設ガイドブックを配布し、子ども食堂を開設する方々を支援しております。  また、子ども食堂を安定して運営していくためには、食材の確保は重要な課題となっておりますことから、フードバンクや市町村社会福祉協議会等が寄附された食材を安全に保管できる冷蔵設備等を備えた拠点を整備し、子ども食堂に食材を提供する場合、これをあいち子ども食堂応援ステーションとして認定する制度を本年四月から創設いたします。この認定制度により、子ども食堂を設置するフードバンク等の団体の信用性を高め、子ども食堂へ食材を寄附したい企業等から安心して寄附していただけるようになるものと考えております。  こうした取組を通じて、子ども食堂の新たな開設や円滑な運営を支援してまいります。  次に、子ども食堂を多世代交流の場として広げる県の取組についてお答えします。  子ども食堂の中には、多世代交流を目的として、子供、保護者、地域の高齢者などが集う拠点として効果を上げているところもあり、こうした取組が広がることは地域福祉の観点からも意義あることと考えております。  県といたしましては、このような特色ある取組について情報収集を行い、市町村に広く情報提供していくとともに、子ども食堂の開設予定者等を対象として、県社会福祉協議会が実施する研修会等の機会を捉えて紹介するなど、子ども食堂が多世代交流の場として広がるよう取り組んでまいります。  最後に、子ども食堂を地域の方々に知っていただくための取組についてお答えします。  子ども食堂をより多くの方に御利用いただくためには、子ども食堂が貧困家庭の子供の支援にとどまらず、学習支援や多世代交流など、多様な活動の場であることを地域の方々に広く知っていただくことが重要であると考えております。  そこで、本県では、毎年、県内の子ども食堂の開催時期や連絡先、活動内容などを掲載した愛知県子ども食堂マップを作成し、市町村や市町村社会福祉協議会などに配布して普及啓発してまいりました。  また、学校関係者にも、地域の子ども食堂への理解が広がるよう、会議の場を通じて、その取組や意義について紹介しております。こうした取組に加え、来年度は、地域福祉の推進を担う民生・児童委員の研修においても子ども食堂の周知を行うとともに、県社会福祉協議会に新たに開設する子ども食堂のポータルサイトにおいて、多様な活動内容を幅広く紹介し、さらなる認知度向上に努めてまいります。  県といたしましては、地域の方々に子ども食堂の理解が深まり、より多くの方に利用していただけるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。 54: ◯建設局長(道浦真君) 境川の堆積土砂のしゅんせつや伐木についてであります。  堆積土砂のしゅんせつや河道内樹木の伐採については、県の河川局部改修事業や河川環境対策事業により、流下断面の阻害が著しい箇所において局所的に実施してきましたが、二〇一八年度からは国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を活用し、市街地に隣接しているなど、特に緊急性の高い一連区間の対策を実施いたしました。その後、二〇二〇年度からは、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を活用し、しゅんせつや樹木の伐採の加速化を進めております。また、本年度からは、二〇二四年度までの特例地方債を活用した県の緊急河川浚渫推進事業費によりさらなる加速化を図っており、流下能力の維持、回復に努めているところであります。  こうした中、みよし市内の境川については、本年度、県道和合豊田線の境川橋付近において、河川環境対策事業により、河道内の樹木の伐採を約〇・六キロメートルの区間で実施いたしました。  また、東名高速道路の交差部付近の福谷橋から上流の三好ケ丘駅付近までの約二キロメートルの区間で土砂の堆積を確認しており、五か年加速化対策を活用し、本年度は、そのうち福谷橋か築田橋までの約一・六キロメートルの区間のしゅんせつを樹木の伐採と併せて実施しました。来年度は、残る〇・四キロメートルの区間を実施してまいります。  今後とも、緊急性が高い区間のしゅんせつや樹木の伐採を効果的に進め、適切な河川の維持管理に努めてまいります。  次に、県道米野木莇生線の現在の取組状況についてであります。  県道米野木莇生線は、日進市とみよし市を結ぶ地域の幹線道路であり、両地域の交流促進や発展を支える道路であります。  日進市内の仮称東郷スマートインターチェンジ下り線が接続する南山交差点の前後約七百メートル区間において、スマートインターチェンジ開通による交通量の増加に対応するため、交通安全対策として歩道を設置するとともに、渋滞対策として交差点部に右折車線を設置する事業を二〇一九年度から国の交付金により実施しております。  これまでに公安委員会との協議や地元との調整を終え、道路計画が固まったことから、現在は用地測量を行っており、来年度から用地買収に着手してまいります。  さらに、この区間の東側では、県道に接続するみよし市道打越黒笹一号線の見通しを改善するため、市がその接続位置を付け替える事業を予定しております。県もこれに同調し、新しい交差点を含む約三百七十メートルの区間について、歩道を設置し、交差点部に右折車線を設けることとしております。昨年度までに現地測量や道路予備設計を行い、今年度は公安委員会など関係機関との協議を実施しており、みよし市と連携を図りながら事業を進めてまいります。  今後も、地域の安全で円滑な交通の確保に向け、幹線道路の整備にしっかりと取り組んでまいります。 55: ◯防災安全局長(中川喜仁君) 消防団の加入促進及び活性化の取組についてであります。  消防団は消火活動をはじめ、大規模災害時の救助、避難誘導、平時における啓発活動など、地域住民の安全・安心に大変重要な役割を担っておりますことから、消防団員の確保は喫緊の課題であると認識しております。このため、広く県民の皆様に消防団活動への理解を深めていただけるよう、毎年一月二十日のあいち消防団の日を中心に、全市町村と連携し啓発活動を実施するとともに、市町村が行う消防団の加入促進事業に対し助成をしております。  また、地域で消防団を支える取組として、消防団員やその家族が施設利用や物品購入時の割引などの優遇措置を受けられるあいち消防団応援の店の拡充や、より多くの事業所が従業員の消防団活動を行いやすい環境整備に協力していただけるよう、県と市町村で継続して取り組んでまいります。  さらに、来年度は、これまで以上に消防団の加入促進及び活性化を図るため、他の市町村のモデルとなり得る先進性や普及効果の見込まれる市町村の取組を消防団加入促進モデル事業として実施してまいります。  具体的には、企業と消防団の合同訓練や中高生を対象とした防災サークルの立ち上げなど、企業や学校と連携した消防団の魅力を高める取組や、学生や女性団員、大規模災害団員等をはじめとする機能別消防団員の確保を目的とした取組などが考えられます。  また、モデル事業終了後はその実施結果を取りまとめ、他の市町村に周知を図るとともに、地域の実情に応じた新たな取組として積極的に活用していただけるよう働きかけてまいります。  県といたしましては、引き続き市町村と一体となって消防団の加入促進及び活性化の取組を積極的に展開して、消防団を中核とした地域防災力の充実強化にしっかり取り組んでまいります。 56: ◯議長坂田憲治君) 以上で一般質問を終結いたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━
    57: ◯四十番(丹羽洋章君) 本日はこれをもって散会し、明三月四日は休会とし、三月七日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 58: ◯議長坂田憲治君) 丹羽洋章議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 59: ◯議長坂田憲治君) 御異議なしと認めます。  明三月四日は休会とし、三月七日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時三十九分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...